行ったらもう"刺さっていた"
2台で30~40分程かけて移動すると、周囲は次第に、緑が多くなった。
私は麓にある神社を見て、某心霊スポットを思い出して恐怖心でドキドキした。
私の恐怖心を尻目に、友人の車はズンズン山を登り始める。
私は置いて行かれたら怖いと、必死になって付いて行くと対向車が、どんどんどんどん降りてくる。
それもスポーツカーばかり。
なんだかなぁ~と思いながら、山を登っていくとそれっぽい道が続き、ここが走り屋スポットか!と悟った。
しかし、感動も束の間、それが恐怖心に切り替わった。
登っている最中、コーナーの先に人だかりができていた。
「こんな所で何やってるんだろう?」
と俺が思ったら、人だかりの先に想像を絶する物が見えた。
事故だ。
それもただの事故じゃない。
峠を攻めて登ってくるシルビアが下り側で止まっていたスターレットに思いっきり"刺さった"らしい。
もちろん、無事では済まされない事故だ。
シルビアは左にハンドルを切ったせいで、右側面が潰れた上、防砂堤を登りかけていた。
スターレットはもはや顔面の大部分はなくなり、左のガードレールにキスしていた。
シルビアの運転手は路上で横に寝ており、スターレットの運転手は電話をしに麓に降りたそうだ。
洒落にならないもんを見せつけられた上に、友人は「先輩もここで事故したんだ」と低いトーンで言われ、ショックを受けた。