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第二話 ダンジョンを作ろう

 

 一通り説明を見た開は迷宮ダンジョンの作成画面に移っていた。画面には自室である迷宮主部屋ダンジョンマスタールーム迷宮核ダンジョンコアの部屋が映っている。


「自室に最低限の物は欲しいところだが命が最優先だ。迷宮をメインに使うべきだろう」


 開はしばらく本の説明通りに画面を操作している。


「大体の操作方法はわかった。迷宮核の部屋から通路、部屋、罠等を設置していく感じか。結構直感的な操作方法だな」


 迷宮内の地図が表示され左側には設置する項目が並んでいる。その項目を自由に設置できるようだ。通路であれば長ければ長いほど、部屋であれば広ければ広いほど、罠であれば複雑であれば複雑なほどDCダンジョンクレジットが多く使用される。


「魔物に合わせて作って行くか。となると重要なのは魔物だな」


 開は魔物の項目を開く。魔物は種族別に分かれており強力な魔物ほどDCを多く使う。


「本には迷宮主と所縁のある通常よりも強力な魔物がいると書かれているが、特に見当たらないな。一部の迷宮主だけなのか?とりあえず今のDCで回すとなるとこんなもんか」


 ・スライム

 ・ゴブリン

 ・劣等狼レッサーウルフ

 ・劣等蜂レッサービー

 ・ワイルドボア

 ・ゾンビ

 ・骸骨戦士スケルトン



 開はある程度魔物の概要を見て一体の魔物を決めた。


「DCが少なく一番扱いやすいのはこいつ、ゴブリンだな。これまで多くのファンタジー作品で使われているからなイメージがしやすい」


 ゴブリン

 緑色の肌で小柄の鬼族。知能は低いが道具を扱う程度のものはある。また群を作り複数で行動することが多い。


「早速召喚してみるか」


 開はゴブリンの数を一体と選び召喚した。足元に現れたのは暗く光る魔法陣。頭からせり上がるように出てくるのは緑色の小鬼、ゴブリンだ。装備は腰布と棍棒を持っている。


 ==================

 名前:

 種族: ゴブリン

 Lv: 1

 HP: 50/50

 MP: 1/1

 物攻: 20

 物防: 15

 魔攻: 1

 魔防: 1

 敏捷: 6

 知力: 3

 器用: 5


 スキル


 魔法


 固有能力


 称号

 ==================


「俺より戦いに向いているじゃないか。迷宮主とは一体...」


 喉の奥で濁すような鳴き声を発しながら開の前で大人しくしている。


「あー俺の言うことがわかるか?通じるなら右手を上げてくれ」


 ゴブリンは返事と取れる短い鳴き声とともに右手を上げた。


「どうやら言葉は通じるみたいだな。知能が低いとあったがそうでもないようだ」


 開は手を口元に当てしばらく考え込む。ゴブリンも見つめ続けられて居心地が悪そうだ。


「うん、イメージが固まった。必要なものと計画、問題の洗い出しをしたいな。あぁホワイトボードでもあればいいんだが書くものすらない」


 開が片手を額に当て嘆いているが何か閃いたようだ。


「そうだ鞄の中にノートもシャーペンもあるじゃないか。早速役立つとは持ってこられて良かった」


 開は鞄から筆箱とノートを取り出し何かを猛烈に書き始める。


「画面構成、この場合は迷宮の構成か、部屋と通路はこんな感じで罠もここなら見つかりにくいだろう。ゴブリンは全体的に配置するがここを中心にするか、食事やらはどうする?お前何食うんだ?いつまで手をあげてるんだ?」


 開が考えを口に出し迷宮をどうするかまとめている。側から見れば変人だろうが、本人は至って真面目で頭の中の一部が漏れ出ているだけだろう。


 開がゴブリンの方を見ると素直に命令を聞いているゴブリンがいた。右手を挙げろと言われてそのままの状態だ。


「あぁすまないな下ろしていいぞ。それにしても醜い外見だがこうも素直に命令を聞くとは可愛く思えてきた」


 ゴブリンに謝りながら軽快に笑う。腕をプルプルと震わせながら素直に従う姿が愛らしく思えたのであろう。そして開はそんなゴブリンの生態の情報を見た。


 ゴブリン

 緑色の肌で小柄の鬼族。知能は低いが道具を扱う程度のものはある。また群を作り複数で行動することが多い。


 ・食事

 植物、動物両方とも食べる雑食である。主にスライムを食べている。ただし肉を好み人族をよく襲う。


「肉か、肉はDCと交換すれば出せるがそんなことをしていたらすぐに尽きてしまうからな。迷宮に侵入してきたやつでも食べてもらおう。そうなるとスライムも必要だな」


 スライム

 コアを中心に溶解性の粘液の体を持つ魔物。吸収した物を魔素に変換し一定以上溜まると分裂し増殖する。


 ・食事

 自身の粘液で溶かせる物ならば何でも食べる



「迷宮に侵入してくる冒険者がメリットが無くても攻略してくるのかは謎だな。とりあえずは宝箱は無しでいいか。色々と設備が設置するみたいだな。怪我が心配だからな薬草畑と小さな泉も設置するか」


 薬草

 HPをわずかに回復することができる。ポーションの原材料である。


 薬草畑

 毎日薬草が育つ畑。生育条件は不明とされている。水があると良い。


 小さな泉

 冷たい水が湧き出る小さな泉。飲むことが可能である。


 開はイメージした迷宮の構想通りに構築していく。そして全体にスライムを配置し、薬草畑を守るように迷宮を配置、見づらい曲がり角に落とし穴と底には竹槍を仕掛けた。以上が現状のDCで作る迷宮である。


「さてこれで完成だ」


 開は迷宮を設計し終え完了ボタンを押した。設計中の開は楽しそうで、どこか童心に返るようだった。


「そうだお前この迷宮ダンジョンのボスな」

『ゴブ!?』


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