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第二十話 ゴブリンキング前編

 

 大量の足音が聞こえる。鎧や剣の擦れる音も混じって聞こえる。中でも特徴なのは低い羽の羽ばたく音だろう。


「「「のわぁあああ!!!」」」


 開たちの後方から現れたのは大量の冒険者とそれを追う劣等蜂レッサービーたちである。


「こっちだ!」


 開は自分たちの潜む岩陰に冒険者たち呼び寄せた。息も絶え絶えな彼らを劣等蜂たちは通り過ぎる。


「はぁはぁ助かったぜ。あんたは?」

「俺は開だ。悠長に話している暇はないあれを見ろ」


 冒険者の向く先には、未だ進軍を続けるゴブリンたちがいる。迷宮ダンジョンの罠や劣等蜂によって足止めされているが冒険者たちのところまでくるのは時間の問題だろう。


「なんてこった...命からがら逃げてきたって言うのにこれじゃ外に出られねぇじゃねえか」


 口々に絶望の声が上がる。ここに居るのは下級冒険者ばかり。ゴブリンならまだしも、進化し上位種となったゴブリンナイトやゴブリンメイジたちには心許ない。最上位種と言われるゴブリンキングには逆立ちしても敵わないだろう。


 だがそんな泣き言を開は聞かない。そうでなくては開が集めた意味がない。


「お前たちはそれで良いのか!ここで無残に金も名誉も得ることなく冒険の途中で死んでしまっても!」

「良いわけがねぇ!でもよどうしようもねぇだろう!」

「大丈夫!ここに大魔導師フィレンがいる!」


 開がフィレンを前に押し出す。ただの小娘にしか見えないフィレンに疑問の声が上がる。


「えっ!ま、任せときなさい!」


 勝手に大魔導師にした開に苦言を呈する。


 “ちょっとどうするのよ”

 “大丈夫だ俺が魔法にブーストを掛ける。フィレンは全力のファイアボールを撃ってくれ”


「これから大魔法を放つ!それに続き魔法使いや遠距離武器の人らは攻撃してほしい!近距離の勇敢な人らは魔法に当たらないよう立ち回ってくれ!」

「くそっ!!!!どうせこのままじゃ死ぬんだやるしかねぇ!」

「僕は生きたい!」


 空元気だとしてもやる気を出した冒険者たち。ついに決戦の火蓋は切られる。


「いくわよ!『火球よ我が敵を燃やせ、ファイアボール』!」


 フィレンは目一杯のファイアボールを放つ。開はそんなフィレンを瞬き一つせず見続ける。ファイアボールが出現する直前、魔法陣が広がった。そうして現れたのは目の前を埋めるほどの極大の火球。それが今放たれた。


 グギャァアア!


 悲痛なゴブリンたちの叫びが上がる。先頭にいたゴブリンたち数十体は燃やし尽くしただろう。迷宮の入り口から入る風が焦げた肉の香りを運ぶ。


「さぁ!ぼーっとしてるんじゃない!畳み掛けろ!」

「「「おぉおおお!!!!」」」


 一斉に攻撃を始める冒険者たち。先ほどの魔法に恐れをなしたのかゴブリンたちの動きが悪い。急所を射抜かれ、背中を切り裂かれ冒険者たちが一気に優勢となった。


「うそ...私があんなの撃てちゃった」

「さぁ今は他の奴らに任せて休んでおけ。ゴブリンキングが出てきたらまた撃つぞ」

「えぇ。不思議と魔力は全然消費してないもの。いつでも撃ってやるわよ!」


 開は後ろへ下がった。そして壁に寄りかかると声が聞こえた。


主人様マスターこれで良かったですか?』

「あぁバッチリだ。上手く冒険者たちを誘導してくれた」


 声の主は女王蜂クィーンビー。彼女が配下の蜂たちを操りここまで冒険者たちを誘導させたのだ。


「流石にあの軍勢では俺たちだけでは手に余るからな。冒険者様々だ」

『奴らも主人様のお役に立てて本望でしょう』

「さて俺は冒険者たちをサポートしてくる。お前はボスの間で待っといてくれ。お前が最終防壁だからな」

「えぇ。わかりました」


 そのまま開の言葉通りに女王蜂は離れていく。開は一つ深呼吸し足を踏み出した。



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