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第十九話 噂は真実へと

 

 いつもは静かな迷宮主部屋かいのへや。しかし今日は元気を取り戻したフィレンによって賑やかになっていた。


「ゴブリンキングを倒すのよ!」


 元気に目標を掲げている。会はそこに至る経緯を聞く。


「なぜ迷宮ダンジョン迷宮主ダンジョンマスターがゴブリンキングだと?」

「最近ゴブリンが大量発生しているのは知っているでしょ?それはゴブリンキングが現れたかららしいのよ!そして迷宮にはゴブリンが大量にいたわ!だから迷宮こそがゴブリン達の巣窟。そしてそこの頂点トップがゴブリンキングに違いないわ!」


 開からすればかなりのこじつけだが理には叶っている。突如現れた迷宮。そして大量のゴブリンの発生。迷宮にゴブリンが大量にいることを知っているフィレンにとって噂のゴブリンキングが迷宮主として君臨していることに疑いの余地はなかった。


「そうと決まればグズグズしてられないわ。助けてありがとう!私は行くわ!」

「少し待て。さっきまで倒れていたんだ。体が持たんぞ」


 少し焦ったように引き止める開。それもそのはずである。この部屋を出たが最後迷宮核(ダンジョンコア)が置いてある部屋へとつながってしまう。


「止めないで!私ならもう元気一杯よ!」

「確かに」

(間に合うか?)


 開は裏で迷宮を改変していた。一階層の入口付近へと迷宮主部屋を移動させた。


「分かった。もう止めない。ただ俺は少しだけ特殊なところに住んでいるが気にしないでくれ」

「?素敵な部屋だと思うわよ」


 開の言葉を疑問に思うフィレン。それは疑問のままにドアに手をかけた。しかしながらそのドアを開くことはなかった。部屋にけたたましく鳴り響くアラームに遮られたからだ。


「一体何の音!?」

「一定の強さ以上でないと鳴らないようにしたはずだが一体何が来た?」


 開の目の前に現れる映像。それは大量のゴブリンが迷宮を攻め込む状況だった。

 突如現れた映像に驚くフィレン。開はそれを見て弁解しようとする。


「これはだな...魔導具なんだ」

「そいつゴブリンキングよ!間違いないわ!」

「何!」


 映像には様々な種類のゴブリンが映っていた。通常の者、剣を持つ者、弓を番う者、杖を構える者、そして一際異彩を放つ屈強な者。迷宮に入るのがやっとと言えるほどの大きな体に身の丈ほどの巨大な斧。周りのゴブリンを従える様はまさにキング。王様の風貌だった。


「なにやら面白そうなことになっているじゃないか」


 開の部屋に断りもなく突如として訪れた紫音。例の如く空間転移で飛んできたのだろう。


「紫音!丁度いい飛んでくれ!」

「了解!」

「一体何なの!?」


 紫音が三人をゴブリンキングの元へと運ぶ。当然ながら敵地のど真ん中にでは無い。


「ここどこ?」

「迷宮だ。フィレンが言っていた初心者の迷宮だな」

「ウソ!あなたの部屋迷宮に繋がってたの!?」

「私が転移させたんだ」

「空間魔法なんて超高等魔法使えるの!?」


 混乱するフィレンに紫音が説明する。ただこうも疑問が重なったため、そのうちフィレンは考えるのをやめた。


「取り敢えずゴブリンキングがいるなら私がやることは一つだわ!あいつを倒す!それだけよ!」

「まてまて」


 敵地に突っ込もうとするフィレンを止める。いくらなんでも考えなさすぎだろう。


「じゃあどうするのよ!」

「考えがあるんだろう開くん」

「あぁ。そろそろ来るはずだ。この状況を打開する勇者たちがな」


 遠くから聞こえる。大量の足音が。

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