第7 意地悪
「と言う訳で、この学校に入学しました!神在 望日です!よろしくお願いします!!」
「いや、どう言う訳だよ」
なんで今の話を聞き入れるんだよ。おかしいだろ。空から女の子が降ってきたんだぞ?大変だね〜じゃねえだろ。下手したら私天空城行かなきゃダメなんだよ?展開上絶対行くことになっちゃうよ?
「望月さんの隣、席空いてるわね。そこに座って」
「は?なんで机と椅子が置かれてんの?さっきまで無かったじゃん」
こっちを見て満面の笑みで親指を立ててくる熱血野郎が居た。あとで締め上げる。にしても、私と全てが真逆なこの子は一体何なんだ?
「ねぇ神無ちゃん」
「なに?」
「昔みたいにしてあげようか?」
「いやいや、初対面だし」
「む〜〜〜っ」
「なんで怒ってんだよ」
この子の言ってることが分からない。昔?会ったことがないし、そもそも私の名前を知ってる時点で少し怖い。
「2人だけの秘密って言ったじゃん」
「何が?」
「私の絶望を吸い取ってくれるって」
「言ってない。覚えてない。言うはずない」
「その代わりに私が希望をあげるって。覚えてないの?」
「人違いです」
そんな漫画みたいな展開、私は信じない。でも、私の秘密を知ってることは正直言って驚きだ。だからと言ってこの子のことが分からない以上関わらないようにしないと。
「あ、神無ちゃん!一緒に帰ろ!!」
やっと帰れると思ったらこれだ。神さまは私に厳し過ぎる。
「え〜?」
「嫌な顔しないでよ!」
「コウちゃんの顔見てみ」
「うわっ!?なんでそんな怒ってるんですか?」
望日をすごい形相で睨みつけている。怖い。
「私の神無ちゃんに触らないで」
「お前のじゃねえよ」
「私の神無ちゃんです!」
「お前のでもねえよ」
「ハグしたことあるもん!」
「あるけど言わんでいい」
「チューしたことあるもん」
「ねえから。覚えてねえから」
「神無ちゃん...」
「私の話を聞け」
「今からチューして見せますよ!」
「嫌だ」
「します!!」
「私に人権をくれ」
引っ張り合いの末に3人で帰ることになった。
「千切れる」
両腕をすごい力で引っ張る2人。無事に帰れる気がしない。
「じゃあね!神無ちゃん!!」
「じゃあね。で、」
「ん?」
「なんでついて来るの?」
「え?だって」
私の家の前に立って言った。
「ホームステイさせて貰うし」
「は?」
「お母さんには許可貰ってるよ?」
あとでお母さんには少量の不幸を送って置こう。
「おかえり〜!」
「ただいま」
「ただいまです!」
リビングには小学生の頃の写真が広げられていた。
「わぁ〜可愛い!!」
「勝手に見ないで」
目を輝かせて写真を見ている。こっちの言葉が届いていないのだろう。散らばっている写真の中に気になる写真があった。
「あれ?」
そこには私と望日が写った写真があった。
「これ何?」
「望日ちゃんが来るから昔の写真探してたの!」
「懐かしいなぁ〜」
「覚えてない」
「そうなの?ずっと仲良かったのに」
「....」
身に覚えのない写真が並べられている。しかもホームステイって...神さまは私を集中攻撃してるみたいだ。