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Despair Girl 〜絶望少女〜  作者: FeNiX/As
5/11

5話 死闘

「次、体育だね」


「見学する」


「ドッジボールだよ?」


「見学する」


さっきの出来事のせいで体力は1ミリも残っていない。こいつらの底無しの体力が怖い。


「見学!?やる気見せろよ!!!!お前なら出来る!!!!」


「熱っ...」


「出来る出来る!!!君なら出来る!!!」


「そうだ!!!お前なら出来る!!!」


「俺らも手伝うぜ!!!仲間だろ!!!!」


「増えた!?」


1人でも相手にするのが嫌なのに...地獄だ...


「分かった。やる」


「「「うぉおおおおおおおおおお!!!!俺たちもそのやる気に応えるぜえええええええええええ!!!!!」」」


やる気は毛頭ない。殺る気なら充分にあるけど。こいつらの底無しのやる気をへし折ってやる。


「行くぞ!!!!」


勢いよくボールを投げる。寸前を狙って不幸をぶつける。やっぱり謎の炎で不幸が届かない。


「ちっ...コウちゃん!!」


「はいは〜い!」


ボールが当たる直前にコウちゃんが片手でキャッチした。


「大丈夫?」


「うん。やっつけて」


「りょ〜かい!」


ただ手首を曲げたようにボールを投げた。ただそれだけの話だけど、コウちゃんの場合そうは行かない。


「ぐはっ!?」


「ぐわぁあああああ!!??」


「俺が止めるっ!!!っ!?なんだこの回転は!?新手のスタンドっぐわあああああああ!!!!」


「お前ら!!!よくも...」


人に当たった球は反射して人に当たる。それの連鎖で15人居る相手が6人まで減った。当たった人たちは血を吐き、涙を流して倒れていた。


「悔しい...ぐはっ...」


「大丈夫だ。お前らの仇は私が取ってやる」


「任せたぞ...炎...俺たちの分まで...うっ......」


「おいっ!しっかりしろ!!!うわぁあああああ!!!」


ドッジボールだけでこんな事になるか?これ世界狙えるぐらいのレベルな気がしてきた。


「神無ちゃん!やったよ!!」


「いや、やり過ぎ」


ボールがこっちに転がってきた。


「神無!お前の全力を私にぶつけろ!!!」


「は?」


全力?全力出して良いんだな?人が死ぬかも知れないんだぞ?


「本当に全力で良いの?」


「おうっ!!!」


手に持ったボールに全力で不幸を流し込む。次第にボールは黒い紫へと変色していき、大きくなっていった。手を離すとボールが頭上に浮いた。あとは残る力を全てボールに込める。側から見れば元気玉みたいな感じだ。


「なっ...」


「お前が全力を出せって言ったんだよ?世界が滅んでも私は悪くないから!!!」


あとはボールをあいつにぶつけるだけ。地球が無限にあっても全ての人類を滅ぼすほどの不幸を詰めた。すなわち、この学校で生きて帰れるものは居ないという事だ。


「ぐっ...このっ...」


体から炎を発しながらボールを受け止めた。ジリジリと足が床を抉りつつ必死に止めようとしているがボールが止まる事は無かった。


「くっ...ヤバイっ...」


「手伝うよ」


「蒼ちゃん!?危ないよ!!」


「一緒なら大丈夫でしょ?」


「蒼ちゃん...うん!!一緒に!!!」


「「うぉおおおおおおおおお!!!!」」


「何だこれ」


本気を出した私も悪い。でもこの熱さは異常だろ。どこの昭和ドラマだよ?どこの胸熱アニメだよ?人のこと言えないけど、体から炎を出してるあいつと体から水のような波紋を出してるあいつは間違いなく人間じゃねえだろ。しかも、誰もこの事を突っ込まない。早く終わらそう。この世界と一緒に。


「はぁあああああああ!!!!」


体に残る絶望を全てボールにぶつける。その不幸はなんかよく分かんないけどレーザーみたいな感じでボールにぶつかった。


「なっ!?」


「きゃっ!?」


「アハハハハハ滅べ滅べ!!!」


「神無ちゃんキャラ変わってるよ?」


「ごめん。忘れて」


つい自分が世界を滅ぼす大悪魔に感じてしまい調子に乗ってしまった。やってる事に変わりは無いけど。


「あらあら、2人でも無理なの?」


「っ...」


蘇る忌まわしい記憶。あいつから絶望を吸い取ろうとしたのに酷い目に遭ったんだ。あいつ諸共吹き飛ばしてやる。


「2人ともごめんね。少し離れてくれる?」


「でも...それじゃ君が危ないよ」


「大丈夫。心配してくれてありがと」


「炎ちゃん!」


「分かった」


ボールから飛び跳ねて避ける2人の前に出てボールに触れた。


「はっ!!」


「っ!?」


世界をいくつも滅ぼす程の不幸をボールを握った瞬間に打ち消した。と、同時に不幸が再び集まってボールに纏わり付いた。


「お返しするね」


「っ...」


無理だ。自分が放ったボールよりも遥かに強い。どうすることも出来ない私は膝をついた。


「神無ちゃん!!」


「無理だよ...逃げて」


「神さまはきっと助けてくれるよ」


「コウちゃん?」


私の前に立ち塞がてお祈りをするコウちゃん。


「危ないから逃げて!!」


「お願い!」


「え?」


それから伸びる1本の柱状の光がボールを包んだ。


「へぇ〜」


クスクスと気味の悪い笑みを浮かべながら下がって行った。


「やったよ!!神無ちゃん!!!」


「....」


ここの学校は自分と合わない気がするから転校しようかな?普通の人たちが居る普通の学校に。コートで血を流して居る人、半壊した体育館を見て思った。

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