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Despair Girl 〜絶望少女〜  作者: FeNiX/As
2/11

2話目 日常

2話目☆

「はぁ....」


朝から個性的すぎる人たちのせいで落ち着ける時間が無かった。HRが始まる前の休み時間が1番静かで安らぐことの出来る時間だ。ただ、1番安らぐことの出来る時間というのは比較した結果であって、落ち着ける訳ではない。


「重いんだけど」


「え〜?神無ちゃん酷い!」


「なんで当たり前のように私の膝の上に座るの?」


「落ち着くから?」


「私に聞くな。それと、私が落ち着かない」


日常茶飯事のことだけど疑問を抱かない訳がない。コウちゃんよりも身長の低い私が身長の高いコウちゃんを膝の上に座らせているんだから、側から見ればおかしい。普通逆だろ。いや逆でもしないけど。


「降りて欲しいな」


「お願い?おねだり?」


「命令」


「冷たいなぁ」


コウちゃんを含めた個性的なクラスの人たちは、何故か不幸が送れない。そのせいで、比較的大人しい子に不幸を送って反応を楽しむ他ない。まぁ、もう1回やってみるか。


「どうした!!筋トレか!?良いぞ!!足の筋肉を鍛えてるんだな!!!素晴らしいぞ!!!!」


ちょうど良い。こいつに不幸を送ってやろう。不幸の送り方は簡単で、不幸を弾丸のようにイメージして人に当てるだけ。


「うわっ!?なんか燃えたぞ!!負けてられねえ!!!うぉおおおおおおおおおっ!!!」


不幸が途中の熱い何かに燃やされて本体に届かない。こいつが本当に人間なのかを疑うレベルだ。仕方ない。憂さ晴らしにコウちゃんにも試してみるか。


「神無ちゃん?そんな見つめられると照れちゃう///」


コウちゃんは私が送った不幸が本体に当たった瞬間に幸運に変わってしまうからあまり使いたくない。どういう原理かは分からないけど、当たった瞬間に幸せが訪れる。


「あ!千円札!!ラッキー!」


今の不幸が千円分の価値だとするなら本気で当てると凄いことになるんじゃないか?100万とか1億とか...やってみるしかない!!全身全霊の力を込めて、今まで吸い取った絶望を指先に集中する。そして勢いよく放つ!


“よしっ!当たった!!”


心の中がワクワクでいっぱいになった。どんな幸運が舞い込むのか楽しみで仕方なかった。


「なんだあれ!?」


「ん?」


窓の外に光るものが見えた。よく見るとこっちに飛んで来ている。


「?」


コウちゃんも疑問に思って窓の外を見た。光る物体は窓を突き破って飛び込んで来て、


「っ!!」


コウちゃんの額に当たった。あの速度で窓が割れるほどの衝撃が人の頭に当たったんだ。これは不幸に間違いない。成功したんだ!これからは全身全霊で不幸を当ててやる。


「あれ?これって...」


コウちゃんに当たった光る物体を見ると、四角い物体は綺麗な金色で、表面にはGOLDと文字が記されていた。


「っ!?」


これじゃ不幸なのか幸運なのか分からない。どこまでも幸運を引き寄せやがる。


「どうしたの?」


「蒼ちゃん?な、何でもないよ。保健室行ってくるよ」


「ん。先生に言っとく」


「友情か!?良いぞ!!もっと燃えろ!!!拳で語り合え!!!!」


「席に戻るよ。炎ちゃん」


「ひゃっ!?耳はダメだって...」


一体何だったんだ。さてと...


「ほら、保健室行くよ」


「ん〜人工呼吸して〜」


「やっぱ良いや。大丈夫だよね」


「ぎゃっ」


起こそうと引っ張った手を離す。勢いよく倒れて頭を打ったコウちゃんは動かなくなった。


「これで静かになった」

続く!

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