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あれから1年後……
「はぁ〜……ヒマだな」
ポツリと、岬は呟いた。
高校1年生。新入生の岬はぼーっと外を眺めていた。
「みーさーき。何ぼーっとしてんのー?」
そう声をかけてきたのは、奏楽だ。
「奏楽〜…ヒマぁヒマぁヒマぁー!!!」
「わっ!!なに急に!!」
奏楽はびっくりして叫び返す。
青井岬。あの時、失恋して、中3になって愛生先輩と蒼くんが別れて、誰か選んであげるからと言って―――――――――これは、そのまた1年後のお話。
偶然、奏楽と岬は高校が同じだった。でも、葵は別の高校。蒼はそのまた別の高校だ。もちろん、愛生先輩も。
「ああうう………葵と蒼くんに会いたぁぁぁぁぁい!!!!!!!」
「ちょっと岬静かにしなさいって!!」
クラスの人がえ、何、とざわざわしながらこちらの方を見ている。
「ぬあああああ!!我慢できない!!会いたい!!!!」
岬はガタンと音を立てて立ち上がった。
「え?ちょ、岬?」
「……決めた!私、今日学校終わったら、葵と蒼くんに会いに行く。奏楽も行こう!」
「…えええええ??」
困惑しながらも頷く奏楽に、岬は嬉しそうに笑った。