観覧車でキスしてました
「じゃあ最後にこれ乗って終わりだねー。観覧車!」
奏楽が楽しそうに言うと、奏楽と林田が2人で乗る。
「じゃあ、俺たちも」
「え?ペアで乗るってこと?でも、だれと・・・」
岬が言いかけたとき、岬は慌てて言葉を止めた。
蒼はもう既に愛生先輩の手を引っ張っていたから。
「うちらは2人でのろーね!」
「うん!」
葵と岬は、2人が乗るのを見送り、次の方に乗った。
「きゃー!高ーい!」「ほんとだぁ!でも、頂上はもっと高いでしょ・・・」
葵と岬がきゃあきゃあ騒いでる様子を見た蒼は、話を切り出した。
「・・・愛生先輩。俺は、愛生先輩が好きです」
「・・・え?」
「さっき、話してたじゃないですか・・・女子4人で。あれ、全部聞いてたんです・・・」
愛生先輩は思い出した、『私は、蒼のことが好きです』っていったことを。
「・・・!!?」
「・・・俺のことを友達って思ってなかったなんて・・・ひどいですよ、先輩!」
蒼はギュッと、愛生先輩に抱き着いた。
「それは・・・恋愛感情だったからですか?それとも何とも思ってなかったんですか?俺はずっと、愛生先輩のことを、友達だって思ってたのに・・・」
「あお・・・」
「俺とまだしゃべれない?そんなだったんですか?ねえ!先輩・・・ッ」
「・・・ごめんね・・・」
愛生先輩はそう言葉を漏らした。
「・・・いいんですよ」
「え?」
「もしまだ、友達なんていないって思ってるなら、俺がみんなを友達って思えるように頑張りますし、俺としゃべれないのなら、もっとしゃべりませんか?いっぱいしゃべっていたいです。愛生先輩と・・・」
蒼は愛生先輩からそっと手を離した。
「・・・蒼。ありがとう・・・私も好きだよ・・・蒼が・・・」
そう言った時、ちょうどぴったり頂上に着いた。
「うわぁ、高いです・・・あ、一番最初に乗ったジェットコースター!それに、さっきのゴーカート!たか~い・・・!」
はしゃぐ蒼を見て。
思わず愛生先輩は、蒼にキスをした。
「・・・・・・・!!!!!???」
「うっわ高い!頂上きたぁーーーー!!」
岬が大はしゃぎでぴょんぴょん飛び跳ねる。
「カメラ、カメラ!写真撮ろ、岬!ほらここ座って!」
「・・・え?今、岬、って・・・!うわーんもう!葵っ、だーいすき♡」
スマホで2人で自撮りをすると、岬は立ち上がった。
「下の二人はどうしてるかな――――――――」
岬は思わず、持っていたカバンを落とした。
「え?岬、どうしたの・・・」
葵もその場に固まった。
後のゴンドラのほうが、前のゴンドラの景色を見れてしまうことを・・・岬と葵ははじめていやがった。
「「・・・2人、結ばれたんだね。おめでとう・・・」」