-陰霖の巫女と鵺の甘言-
如何も皆さんリア充していますか?私は今鵺とランデブーしています。迚も幸せです。鵺とランデブーって屹度世紀末になっても聞かない台詞ですよね。
然うなのです。今回はタイトルの通り、鵺さんです。もう霄の鳥って、其丈でかっこいいですよね。漢字を初めて知った時、どんな子なんだろう。八咫烏とか火の鳥辺りとか紅鏡っぽいから屹度氷鏡に良く映える銀蒼色の鷺みたいな子なんだろうなぁと勝手に夢見てました。
現実は何て残酷か。どっかのおっさんが自慢話の為に作られたとか言うし、鳥の要素って声丈だし、って言うか鳥じゃないし、只のキメラだし。と大いにショックを受けました。
まあでも幻獣には間違いない訳で、割と有名な子だと思うので一応話は考えたり・・・あ、別に嫌いって訳じゃないよ。失望した丈だよ。一応可愛いとは思っているよ。
と言う訳で第六話。鵺が啼く霄は元々不吉と呼ばれていますがはてさてあの声は一体誰の哦なのか・・・。
此処は干上がりの地
陰霖は梅雨の時でも甘露の一滴の如く降らず、其の地に住まう村人達を餓えさせた
そして其の村に、一人の陰霖の巫女がいた
彼女は陰霖を予言すると言う
彼女は雨雲を呼び寄せると言う
でも其は伝説の話
少女はしがない詐欺師だった
だが其は詮無き事
身寄りの無い少女が此の世で生き長らえるには此の道しか残されていなかったのだ
少女は陰霖を降らせようと甘言を言った
村人は少女に惜しげも無く金を、作物をやった
陰霖は本当に降る時も、降らない時もあった
でも少女の幼さが言い訳となり、少女は余り責められる事が無かった
時が経ち、世は旱魃に襲われた
其は此の村も例外ではなく、雲一つ無い時が数日続いた
村人は言った
何としても陰霖を降らせろと
出来なければ、殺してしまうと
大して働く事の出来ない少女を、村人は必要としていなかったのだ
霄、少女は泣いて天を仰いだ
私が涙を流せる様に、陰霖を降らせる事が出来れば・・・
其を聞いてか聞かずか、近くの茂みでかの声が滔々と響いた
我は鵺、異形の獣
我は今迄汝が何時迄欺いていられるか見ていたが今回が潮時らしい
我が声が我が姿を欺く様に
汝の甘言が汝を助け、村人を欺くのなら、同類として憐ん事もない
鵺は少女に助言した
欺く術を
次の日、少女は村人に言った
天は未だ憐れみの涙を流さん
もっと苦しみ抜かなければ、天は憐憫の手を差し向けないのだ、と
村人達は今迄全てを分け与えて生きて来た
だが少女の此の甘言を聞き、奪い合いが初まった
天に憐れみ等無いのに。
村人は少女の言葉を信じた
甘言を聞く方が楽だったのだ
村人は其の数を減らし、陰霖が降らなくても何とか生きられる様になった
誰も少女に陰霖を頼まなくなった
少女は助かったのだ
しかし、少女は死んだ
本末転倒とも気付かずに、奪い合いに巻き込まれて殺されたのだ
陰霖が降ったのは其の数日後
長雨は村を押し流した
人影絶えた村に、悲しげな鵺の声が響くのだった
-Fin-
御疲れ様です。今更乍ら何だか少女×幻獣って多いなぁと思いました。書き易いと言うか、ロマンチックな気がするんですよね。少年の話も書きたいんだけれど・・・余ないな、ネタ。
さてもさても今回の話、後から筆者は気付いてしまったのです。あれ、鵺って声丈の出演で、人しか出てない?只の疑心暗鬼の話じゃん!鵺の描写が粗無いだと!
ショックです・・・。折角の幻獣を一匹無駄にした気分・・・。まぁそんな事もあるよね、次は頑張ります!次は可愛い子だと良いな♪
予定では次の御話は珍しく救いのある様なお話になる・・・筈。幸せの象徴の幻獣って少ないから迚も貴重な気がします。さて、皆さんは何の子を真っ先に思い浮かべましたか?
では皆さん良い物語を。