第三者そして、第四者
遅すぎますが、お許しください。
第二ラウンド――――
ゴートは自分の力を最大限に上げると宣言し、太志に本気のバトルを告げた。
今本気を出されるとは思っていなかった。本気を出されては太志に勝ち目がなくなる。一騎打ちになった場合はほんきを出される前に叩く――これが太志の作戦だったが、以外にもせっかちだったゴートにはすぐに本気を出されてしまった。
「こんな時に本気かよ・・・・・・クソッ!勝てるわけねぇ!」
太志は後ろを向き走り出そうとする。だが簡単には逃げれない。強く、重い一撃が太志の背中をうった。
あまりにも協力だったので「ガハァッ!」と、太志は血を吐き、倒れこんだ。
「おいおい、今更逃げるなんて考えはないだろう?喧嘩を売ってきたのはお前だぞ?」
少しづつ歩いて距離を縮めてくるゴートに気づき、起き上がってはすぐに距離をとり構える。
こんな・・・・勢いなんて・・・・予想と遥かに違う一撃だぞ。
太志はゴートを強く睨みつける。
「なんだぁ?やっとやる気になったか。最初からきちんと決めてりゃ、痛い思いはしなかっただろう。あ、でもおれに殺されるから意味ねぇよなあ!!」
太志に向けてもう一度大剣を振り下ろす。それは、ギリギリ避けれるくらいの速さなので、少しでも気を許せばつぶされる。
「逃げれないんだから戦えよ!いつまで避けてるつもりなんだい?」
聞きなれない声がゴートと太志に警戒を生む。
すかさずもう少し距離を離し、第三者の声の一へ目線をやり探す。
「誰だぁ?戦いの邪魔をする野郎は?良い度胸じゃねえか」
すっと正体を現したのは、金髪碧眼の騎士のような者だった。
「神崎太志、君の戦いは見てて無性に腹が立つ。何故君がこの戦いに選ばれたのか理解しがたい」
現れて早々、太志に向けて言い放った。
「神崎君、ここは一つ私に戦わせてくれ」
「出てきたと思ったらてめぇは何を言ってんだぁ?まずは名乗ってから来いよ」
「おや?そんなルールは表記されておりませんが・・・・そうですね、一応名乗っておきますか。私は序列十一位 ルイス・シュバリオです」
太志は背筋が凍った。今この場には、序列三位と十一位が睨めっこしている。そしてその場には自分もいるのである。戦力の差はゴートとの戦闘でもうわかっている。太志相手では十一位も相当な手練れだ。
「な、なんであんたがここにいるんだ!」
「鐘が鳴ってもだーれも来ないんだもの。散歩していたらすっごい大きい音が聞こえてね。いざ行ってみると君たちが戦っていた。観察がてら隠れていたのさ」
「んでぇ?俺たちの戦いを見ていて、こいつに腹が立って声を上げたと?」
「まぁ、そんなところかな?」
こんな状況でも落ち着いたまま、「ハハハ」と髪の毛をくしゃくしゃとした。
「ゴート・ニクスヘル。今私と戦うというのなら神崎君は返してやってくれないか。こんな状況じゃ、戦いようがないじゃないか」
太志を逃がすという選択肢を作り出した理由がまったく見当がつかない。
「ど、どうして俺を逃がすんだ」
「神崎君、君はこの戦いで死にたいっていうのか?それとも自分が倒したいとでもいうのか。こんな状況、誰がどう見たってゴートの圧勝に過ぎないじゃないか!」
太志の質問の返答は、とてもじゃないが怒りが少々籠っていた。
「戦士の戦いに汚れなどいらない」
怒りを抑えようにもにじみ出るものは隠しきれていなかった。
「わ、わかりました・・・・」
太志は、こんな場所から逃げ出るかのように、すっと出て行こうとする。
「ちょっと待てよぉ!俺を忘れてもらっちゃぁ困るんだなぁ」
ゴートは太志と戦いたいわけではない。一瞬でそう悟ることはできる。
「なぜだい?神崎君の代わりに私が戦うと言っているんだ。文句はないはずだよ」
「そいつはなぁ、俺をなめてやがるんだぁ。だからここで決着を――――」
その瞬間、その場を氷の中へと包んだ。
少々服装の乱れのあるワンピースに片手のナイフ、ポニーテールで仮面をした女性が、ゴートの首にナイフを突きつける。
「ウッ・・・・」
「誰だ!」
ルイスが問う。
兎の仮面を付けた女性は無言のまま首を動かし、「あっちへ行け」と言ってるようだった。
「なるほど、この場をすべて解散させて今日はサヨナラというこうですか。ではまず、お決まりだったであろう、あなたの名前を教えてください」
仮面の女性は、ゴートに首を突きつけたままに紙を取り出すと、指で示す。
そして、またもやこの場が凍った。
彼女の指した場所は、序列一位 片桐桜 だった。
ややこしくなっていますが、あまり気にしないでください。
少し時間が取れなくなってきたので投稿は遅くなります