本線 一手手前
手を加えるのはまだまだあります。
申し訳ないです
畜生。ちくしょう。畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生。
ちっくしょおおおおおおおおおおおお!
「『豪・土龍陣』」
太志は技を口にしてから芝の地面を強く追手の方向に足先を向けて叩き込んだ。
すると地面はもり上がって、盾とはいいずらいような土の壁が出来上がった。即席で作った壁なのであまり役には立たなさそうな時間稼ぎのつもりの壁。
「よし、今のうちに・・・・」
油断大敵。逃げるための時間が出来たと余裕を覚えた瞬間――――
壁は崩された。
「な・・・・に?」
太志も何が何だかわからなかった。
土龍陣が崩された・・。そんな、簡単に崩れるほど弱くはないはず・・・・。
「おいおい。ここは砂場じゃぁねえんだぜぇ?」
崩した張本人が撃名煙から影を現した。
「闘おうぜぇ。つまんねえのは嫌いなんだよ。もうお前の技は見飽きた」
大剣を引き摺りながら追ってくる者は血に飢えているような化け物のようで太志が闘ったら結果は見えていそうな相手だ。勝てない。
「ま、待てよ!闘うんだったら名前を教えろ!」
震える声は届いていた。少し動きを止めてからにやけた者は言った。
「そぉかぁ、いいぜぇ。ゴート・ニクスヘルだ」
窓から光が差して、朝の知らせをしてくれる。
「もう朝か。昨日はコノエとあんまり特訓出来なかったしな」
同時に昨日見た昔の話も思いだした。
「ん?なんか・・紙が置いてある。まさか!」
そこには
――――神からの通達書
本日正午より始める。
それに伴い、宣戦に関わる人員の名簿を序列としておく。
「コノエー!ちょっと来てくれー!」
呼ぶと一分も経たずにコノエは着た。
「どうしたの?なんか焦ってる様子だったけど・・。まさか昨日の事?」
「い、いや違うんだが、これを見てくれ」
コノエの顔が少し変わった。
「読めないわよチキュウの文字?みたいだけど・・」
あ、そうか。コノエはこの世界の住人だ。
「ま、まぁ序列を読むから聞いててくれ」
一位 片桐 桜
二位 ザトラ・ヘイメス
三位 ゴート・ニクスヘル
四位 ステラ・ロード・クスニウム
五位 スフィア・ケルベリオ
六位 エイミー・カザントフ
七位 李・紅明
八位 …
「太志の名前って呼ばれた?」
コノエは聞き間違いかと思い聞き返すが、太志は顔を真っ赤にして言った。
「ま、まだ・・・・だけど」
十九位 神崎 太志
「あ!あったーーー!!」
と喜びたい所だが、二十人中十九位。さらにもう一人いないので、よく考えれば最下位であった。
「そ、そんな~」
太志はここまで結構頑張ってきたという思いが強いのでこの現実が中々受け入れられないのか今の気持であった。
「ま、これからよ。ご飯食べてから特訓するわよ」
「コノエは気楽かよ~」
太志は「はぁぁあ」と大きなため息をついてから、「よし!」と声をだして動き出す。
* * * * * * * *
定刻まで残り三十分になった今コノエと太志は移動を始めていた。
「なぁコノエ、なんで移動してるんだ?」
「え!わからないの?まさか私の家の近くで戦うつもりだったの?そんな大事件にしないでくれる?」
「そ、それもそうだな」
確かに石造りの建物ばかりの場所で暴れたらひとたまりもないもんな。
それに伴い、太志とコノエは王城から少し離れた裏の丘に来ていた。被害が最小限になるようにと場所を選んでいたらしい。
「そういやなんでコノエがここにいるの?」
「まぁそうね、私は観戦しに来たのよ。ホラ、太志の闘う姿とか見てみたいし。あとは証拠としてかな」
「し、証拠って・・・・」
だが今から始まる戦いにコノエを巻きこむ訳にはいかない。始まると同時に隠れてもらうか。
この世界に来てから定刻である正午になったら王城の鐘が鳴る。その合図と共にバトルがスタートする。
「コノエー、鐘が鳴ったら隠れてろよー。危険なんだからな」
「わかってるって――――」
コーン、カコーンコーン
「「ッ!」」
そんなやりとりをしていたら定刻の正午になっていた。移動するのは正解だったのか、敵が現れない。
「なんだぁ、そんなに緊張するもんじゃ――――」
「コノエ!危ない!!」
コノエが気を抜いて出てきた瞬間、丘に立っていた木が倒れてきた。
「誰だ!」
太志は殺意を感じとって、相手のいるであろう方向へ叫んだ。
すると、あっけなく敵は出てきた。
「おうおうおうおう!怖いねぇ、兄さん」
出てきたのは、ガタイが大きく、大剣を肩に置いている迫力がある人物だ。
「コノエ!逃げろ!今から戦場になる!」
「わ、わかったわ、太志――――絶対勝ってね」
そう言うとコノエはすっとその場を離れ、もう視えなくなっていた。
「お、兄ちゃんやる気かい?いいだろう。やってやるよ!」
少し相手を伺わないとな。最初は相手の攻撃をよけ続けるか。
「よし、来い!」
威勢よく入ったつもりだったが、少々おじけているとこもあった。初めてだからと言う理由がある。それに――――
――――血が嫌いだ
「くっ、やるしかねえ!」
「そうこなくっちゃ、なぁ!!」
そう言うと、勢いよく大剣を振りかぶってきた。
案外、やれそうかもな。そう思いつつすっと攻撃を避ける。
だが、敵の攻撃を受け続けるのもあまり楽じゃない。この敵にいたっては一度の攻撃が大きいので、避ける範囲も大きくなる。
数回の攻撃で相手の攻撃を読んでいかないと持久戦に持ち込まれるな。
まずはこの場所の把握だ。全体図はコノエに教えてもらっている。後は少しだけ頭の中で練った作戦に追い込むだけだ。
頭の中で考えつつ避けて、次のこうげきの瞬間、太志は全力で敵の右方向へ走った。
相手の攻撃は一度が重いから抜けれるはずだ。
一瞬の出来事だったのですぐに抜けられた。だが抜けた瞬間――――
ドゴォォオン!
「う、ぐぅ」
太志の背中に強烈な痛みが走った。敵の攻撃の威力で岩が飛んできたのだ。
「ヘ!急に動いたと思ったらもう終わりかぁ?」
まずい。この状況はマズイ。
すぐ察した太志は起き上がって、作戦変更をした。
逃げるために練った作戦だ。これは道筋を理解してないと追いつくことは出来ない。はずだった。
ドガァァン!ドゴォォオン!バキバキ!
「こんな木!俺の剣の前じゃぁ何の意味もないぜぇ!」
畜生。ちくしょう。畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生。
ちっくしょおおおおおおおおおおおお!
「『豪・土龍陣』!」
太志は技を口にしてから芝の地面を強く追手の方向に足先を向けて叩き込んだ。
すると地面はもり上がって、盾とはいいずらいような土の壁が出来上がった。即席で作った壁なのであまり役には立たなさそうな時間稼ぎのつもりの壁。
「よし、今のうちに・・・・」
油断大敵。逃げるための時間が出来たと余裕を覚えた瞬間――――
壁は崩された。
「な・・・・に?」
太志も何が何だかわからなかった。
土龍陣が崩された・・。そんな、簡単に崩れるほど弱くはないはず・・・・。
「おいおい。ここは砂場じゃぁねえんだぜぇ?」
崩した張本人が撃名煙から影を現した。
「闘おうぜぇ。つまんねえのは嫌いなんだよ」
大剣を引き摺りながら追ってくる者は血に飢えているような化け物のようで太志が闘ったら結果は見えていそうな相手だ。勝てない。
「ま、待てよ!闘うんだったら名前を教えろ!」
震える声は届いていた。少し動きを止めてからにやけた者は言った。
「そぉかぁ、いいぜぇ。ゴート・ニクスヘルだ」
「ッ!」
「そんな言葉につまんじゃねえって、あぁ?そうかぁ、俺の序列がその恐怖を生み出したかぁ」
ゴート・ニクスヘル
序列 三位
トップクラスの序列を計る敵を目の前に、太志は膝が笑っていた。
「人に聞いたんだから、自分も答えないとなぁ。てめぇ、誰だ」
「か、神崎・・・・太志・・」
「ああ?カンザキ?タイシ?誰だそれ?」
ゴートはポケットに手を突っ込んで、紙を取り出した。太志を探すように髪を眺め、見つけた時にはニっと笑った。
「序列十八位ぃだとぉ?」
不満気な声を上げてから紙をしまう。
「っち、しゃあねえなぁ。雑魚相手ならとっとと済ませようぜぇ。初戦からこんな相手なんて胸糞わりぃ」
太志は歯をギシリと噛みしめると、
「まだ戦ってもいないのに相手を見くびるのか?」
太志は少し切れ気味だった。
「神崎流武術弐式をなめてもらっちゃ困るんだよ」
少しずつ声が大きくなっていく。
「神崎流の教え――
強き相手と交えれば
恐れを失くし、立ち向かう勇気を作る
弱き相手と交えれば
気を抜かず、全力で戦う心遣いを作る
戦いは一つの道である」
太志はそうつ呟くとゴートをにらみつけた。
「ほおぅ、やる気かぁ。いいぜぇ、たっぷりといたぶってやるよ」
ゴートはそう言うと剣を振りかぶる。
「なっ!」
無理やりで勢いがありすぎる大剣は地面をえぐって圧がかかった。
太志は距離を詰め、横から蹴りをいれると同時に叫んだ。
「『神崎流武術弐式 禅・陽凛華』」
太志の左足が風を押すように圧力をかけ、ゴートにあてた。
「っぐはぁ!」
凄まじく重い一撃はゴートの首に大きな損傷を与えた。
「このクソガキがぁああ!!」
ゴートは自分よりも弱い相手にやられたことが皮肉に怒りをぶちまけた。
「いいじゃねえかぁ。こいつに本気を出すのはシャクだが見せてやるよ」
ゴートは大剣に集中させ力を溜めつつも気迫を保っており、太志はその気迫に驚きを隠せずに膝が笑っていた。
ゴートはニッっと笑って太志に言った。
「第二ラウンドと行こうじゃねえぁ」
多分、やれるとこまではやりますが、
初心者なので苦しいです