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異世界死線  作者: しかせんべい
3/5

思ひ出

いつも通りです


酷いので訂正し続けます。

 ――――――『神崎流武術(かんざきりゅうぶじゅつ)

 これは神崎家に代々伝わる対人用とされてきた武術。

 他の武術と違い、動きが大きいところが特徴的な部分でもある。

 『(ごう)』『(きょう)』『(ぜん)』の三つが効果により使い分けられる。

 

 『豪』

 主に一対一の対人接近戦に用いられる。

 攻撃力の向上により、技が決まった場合の相手のダメージは大きい。

 ただし、技の素早さは元より劣る。


 『境』

 主に複数の敵、遠距離戦で用いられる。

 攻撃の俊敏性が上がり、技を当てに行く事に特化している。

 ただし、技の攻撃力の低下は避けられない。


 『禅』

 これは、この三つの中でももっとも扱いやすい。

 攻撃にも速さにも何の支障はない

 『豪』『境』の二つの中間でバランスのあるもの。


 そして、『弐式』と言うのは、神崎太志の祖父が『神崎流武術』を一から見直して、技の一つ一つの無駄な動きを失くし、以前よりはるかに素早くなったという。

 

 最後に――

 神崎流の教えとして

 

 自分より強き相手と交えれば

 恐れを失くし、立ち向かう勇気を作る

 自分より弱き相手と交えれば

 気を抜かず、全力で戦う心遣いを作る

 戦いは一つの道である

 


 * * * * * * * * 


 「神崎流武術弐式!『(きょう)真空波(しんくうは)』」

 太志は握った左の拳を勢いよく前に突き出した。

 「え?何?なんにもならな・・・・」

 コノエが余裕うをかましていた瞬間、コノエはお腹を抱え、蹲った。

 「な、何が・・・・起こった・・の」

 「俺の技の名前を聞いていたか?」

 コノエは少し考えると「は!」と声を上げて、大きな声を上げたからか痛そうに再び蹲った。

 「まさか衝撃波まで飛ばしてくるなんて」

 「御名答。俺は今コノエのみぞおちを狙って放ちました」

 みぞおちに当たって嬉しそうにニコニコとしていた。

 「太志ってみぞおち好きなの?変態?」

 「いや、違うから。昨日の『(ごう)烈火棍(れっかこん)』が決まらなかったから当てたかったんだよ」

 少しずるい不意打ちだが、当たったのは当たった。

 「それよりナイフはいつ教えてくれるんだ?これじゃぁ俺が怪我して終わりだよ」

 話を逸らすようにしてナイフの事をコノエに話した。確かに昨日「明日話す」と言ってあった。

 「それもそうね。教えてあげるわ。ならまずこう持ちなさい」

 コノエは腰からナイフを取り出すと、刃の方が外に向くようにして、地面とほぼ平行な形をとって構えた。

 「話が早すぎるだろ」

 太志は見よう見まねで同じ動きをしてたらコノエは満足そうに「そうそう!」と喜んでいた。

 「太志は足早い方?」

 「んー、平均よりは早いくらいかな」

 太志の少し軟弱な体はそう物語っていた。

 「なら標準の近接タイプで十分ね」

 コノエは木に向かってナイフを素早く振り下ろした。

 「は、はえ~」

 「この位普通よ普通。はい練習する。まずは素振りから」

 「マジかよ」

 「文句言わない」

 こうしてナイフを振り続けないと終わらないことが分かった

 

 * * * * * *

 

 「九九九!一万!ハァッハァ。お、終わったぞコノエぇぇ」

 「そんなに疲れたんだ。なんかゴメンね」

 コノエに言われ、一万回素振り。慣れない動きとポーズに対しは結構苦痛が強いられた。

 「少し休憩しましょう」

 コノエの休憩の合図で太志はその場にスッっと座り込み、上を見上げた。

 「俺は・・・・」

 太志の中で少し怖がっている心が少しあった。


 時は七年遡る――――

 

 太志は小学生の頃から武術を習っていた。才能と言われるほどだった。大会優勝も果たし手いるほどの実力者だ。だが、小学五年の年、事件は起きた。

 ある雨の日、買い物に行った姉が帰って来ない。

 神崎(かんざき) 真奈(まな) 三つ年上の姉。いつも髪はポニーテイルで、左胸には太志がプレゼントした花飾りが付けられている。

 太志に比べて姉は強い。才能だけではたどり着けない遠い場所にいた。

 戦い方も神崎流にならい、大会優勝も多く取っている。

 とてもしっかりしている完璧超人な姉が寄り道とは限らない。

 太志は家を飛び出て必死に探した。

 「姉さん!姉さぁぁあああん!!」

 どれだけ探しても見つからない――と思った矢先、通り掛かりの二人の男性が口にした言葉。

 「おい聞いたかよ。駅前の交差点で殺人があったって」

 「マジで?交差点とか堂々としてるなー犯人も。すぐ捕まったんだろ」

 「それが、犯人も死体もなくて。殺された瞬間は見たんだけど、その後皆記憶ないって口をそろえて言うんだ」

 「はー?死体もないのか?どんなサイコパスだよ」

 「残っていたのは、大量の血と雨の混ざった液体にそれに濡れた花飾りだけだよ」

 花・・・・飾り?

 「ま、まさか!?」

 太志は全力で走った。無我夢中で走った。頭には姉の事しかなかった。

 「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだぁああああああああああああ」

 姉さんが負けるはずがない。あれだけの実力者だ。だって・・・・姉さんが・・・・。

 そうこうしているうちに交差点にはすぐ着いた。

 そこには――――――

 以前、太志がプレゼントしたはずの姉の花飾りが、大量の血に浸りながらも――――頑張って、その血から浮こうとしているのだった。

 

 「・・・・」

 少し寝ていた。上を見た瞬間に俺は寝ちゃったのか。

 柔らかく、暖かい枕。まるで、人の体温のように・・・・人?

 「ん?ぇええええええ!!!」

 「あ、起きた?もう、寝ちゃうんだから心配したんだよ?」

 気付けばここはコノエの太ももの上。知らないうちにコノエに枕要求でもしたか??い、いやそんな事は。とりあえず謝るか。

 「ご、ごめんコノエ。気付かなかった。苦しかったろ」 

 コノエは首を横に振りって「全然大丈夫」と答えた。

 「膝枕は、私がやってあげたんだからね」

 「え?」

 コノエ自ら動き、膝枕をしたというのか。

 「それより太志、どうしたの?寝ている時に泣いたりして。怖い夢でも見たの?」

 顔には少しひきつった感覚があるのは、泣いていたからだ。

 「い、いやなんでもないんだ。気にしないでくれよ。さぁ、練習練習!寝てたぶんを取り返さないと――」

 起き上がろうにも身体が押さえられ、動けなかった。コノエは真剣に対しの顔を覗き込み、無言で太志の方を見ていた。

 「何だよコノエ。練習しようぜ!まさか俺とこうして居たいとかいうなよ」

 ふざけたが、コノエの反応は変わらない。

 「ど、どうかしたか?」

 「・・・・・・話しては・・・・くれないのね」

 真剣さが伝わってくる。だが、太志はもう、あの事を思い出したくはなかった。

 「ごめんコノエ。もう何も思い出したくない」

 「そう。ならいいわ。でも、いつか決心がついたら話してくれてもいい?私は太志の力になりたいの」

 「・・・・・・」

 「駄目・・・・ならいいよ」

 「いや、いつか・・・・話すよ」

 「うん」

 コノエにはいつか伝えないといけない。そう思い続けていた。

 「さ、もう今日はこれくらいで終わるわよ」

 「え?素振りだけ?マジで?」

 察しが良かったのか、練習は終わりと言ってくれた。

 「明日からなんでしょう?なら今日はゆっくり休まないと」

 「そうだな。明日の正午に備えよう」

 二人はそう言って家に戻った。

 

 残り――――十一時間

 

次からなので暫くお待ち願います

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