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低迷  作者: 都会の芋虫
幼竜の残滓
1/2

通常

※ちょっとずつ書き足していきます

目がさめると、日光の柔らかな光がカーテンを通して僕を照らしてくれた。

少し重いだるい体をベッドから下ろし床に足をきちりと付けて伸びをする。

11月16日。僕の何度目かの誕生日だ。

寝室を出て、洗面台へ。鏡に写るボサボサな髪を薄めで確認しながら歯を磨くと、静かな空間に軽快な音が鳴り響いた。


誕生日が近づく度、僕は自分が不幸な人間であると気がつく。

僕が誕生日という日を『生まれた事を祝う日』というより『生まれた日に家族や友人などが祝ってくれる日』だと考えているから、自分と同じぐらいの子供達が床が埋め尽くされるほどのプレゼントを眺めながら満足したようにご馳走を頬張る姿がどうしても目に浮かんでしまうのだ。

それにくらべ、自分には何も無かった。

ご馳走もプレゼントも、友人も家族も。僕には何も無かった。


でも、それが僕にとっての日常だった。

いつもより暗い洗面台に明かりをつける。

歯磨きを済ませうがいをしても、まだ起きた後の怠さは残っている。


卵かけご飯と昨日作ったのほうれん草と卵のスープを並べ、椅子に腰掛ける。四人掛けのテーブルにはその茶碗はあまりにも小さすぎるように感じた。

静かな部屋にはカーテンから青い光が照らしていた。

時刻はそろそろ九時になろうとしている。


食べ終わった食器はすぐ洗面台に持って行って洗う、水分を拭いて食器棚に片付けたら次にするのは外出の準備。ここまでが僕の午前の日課だ。

薄い長袖に七分丈のズボン、お気に入りの灰色のジャンパーを着てスニーカー履いて外に出る。僕の一日の楽しみの内の一つのであるこの外出にはその日の買い物や体を動かす事よりも重要な意味がある。


それは『人間観察』。

朝の寂しさを消し去る為に僕は人々の活気あふれる姿や喜怒哀楽の様を見る。それを効率よく行うことができる外出は僕にとっては人間を近くに感じられる大切な時間であり機会なのだ。


今日の天気は晴れ、特に冷たい風も吹かないちょうどいい日。僕は雨があまり降らないこの日がとても好きだ。

自分の体には少し大きめのリュックサックを背負って靴を履く。ドアを勢いよく開けるとまるで僕を待っていたかのような強い光が僕を迎えてくれた。

外の匂いを鼻に感じながら、はやる胸のうちを押さえながら外に一歩踏み出す。


と、そこで僕は目の前に人が倒れているのに気がついた。


「え…あの、…え、だ、大丈夫ですか…?大丈夫ですか!?」

僕はうつ伏せになって倒れているその人の側に行き、隠れて見えなかった顔を確認した、するとその人は僕の声が聞こえたらしく、微かな声で返答した。

「み………水………。」

「水?水ですね!えっと…。」

普通、そういう時は家に戻りコップに水を注いで倒れている人の元に行き水を飲ませるだろう。しかし、僕はその人の両腕を両脇に挟みながら家の中に引きずり入れたのだ。


玄関横の通路に寝かせ、水道から水を汲む。コップの水を飲ませると、その人はたちまち元気になった。

「いやー!やっぱり水っていいな!おかわり!」

コップ一杯の水を一瞬で飲み込んでしまうその男は、7杯目を飲み終えた時やっと水とおかわり以外のことを話し始めた。

「ふぅ、生き返った。ありがとなほんと。」

何年か振りに自分に向けられた笑顔に、僕は少し動揺した。

「い、いえいえ。大丈夫ですか?その…お怪我の方とかは…?」

呼吸を軽く整えて話す。この人ともう少し話していたいと、心のどこかで思った。

「けが?そんなの無いって!あー、でも腹減ったなぁ。なんかないの?」

今まで笑顔だったその人は、たちまち顔を曇らせてしまった。

「あ!それなら、ご飯が残っているのでそれで…。」

メシ?俺、メシは好きだぞ!」

「わかりました。持ってきますね!」

「おう、色々ありがとなー。」


リビングから離れ、キッチンに着いた時ようやく僕は正気になった。「こんなに人と近くで話すのは久々だ」という、短絡的な喜びのせいで僕は大切なことを忘れていた。そう、"その人間ヒトが、本当にただの迷い人なのか"というのを確認せずに部屋の中に入れてしまったのだ。


僕の住む町の周辺では最近空き巣に会うという被害が多発していると、噂でよく聞く。昨日も、スーパーに向かう途中、梅の実が熟れたような主婦達がその話題について話し合っていたのを耳にした。

ここら辺は少し富裕な人が多く住んでおり、さらにその大半が既に現役を退いた人々ばかりなのだ。


僕はすぐ心を入れ替え、僕の家に入れてしまった不審者を柔らかく注視し思考を巡らせた。


まず、何故僕の家の前に倒れていたのか。今思うとそれは善心を利用して、僕の家に侵入して盗みを働く為なのかもしれない。

僕の家は一戸建てであり一人で住むには少し大きい家だから金品や現金があると考えたのかもしれない、隣の家との間も離れているので犯行の成功率も上がると考えたのだろう。


次に身なりだ。彼は秋の後半にしてはかなり軽装な格好をしている。

半袖のTシャツにジャージと汚れたスニーカーのみ、最近は秋晴れの日もあるがいかにも寒そうな服装だ。

だが、冬の寒い日にも軽装な服で過ごしている人がいるのを僕は知っている。しかし今は彼が泥棒なのだろうという疑惑の方が強まり

(きっと彼は家から衣服まで盗み出すのだろう)

という思考で、脳内が埋まっていた。


そーま「という事で始まりましたね!」

???「うんうん。遂にねー」

???「お前何が始まったか理解してないだろ…というか、さっきから俺たちの名前が「???」になっているんだがこれは何なんだ?」

そーま「それはネタバレ防止用のフィルターらしいですよ。ちなみに、僕には主人公補正があるのでフィルターがかからないんです。」

???「主人公補正の使い方を間違ってる気がするのだが…。じゃ、このフィルターはいつ外れるんだ?」

???「俺たちが物語に登場したらじゃねぇか?」

???「うぎゃぁ!」

???「うわっ!おい、???!居るんなら居るって言えよ!」

???「知るかよそんなの。てか、何そんなに驚いてんだよ。」

???「うひー…」

???「ガゥ〜」

そーま「皆さん!そろそろ時間らしいですよ!」

???「時間!?なにこれ、時間制限とかあったの!?」

???「なんか、今日テンションおかしいよな。お前。」

???「腹減った〜…」

そーま「お腹すきましたか?それなら!みんなで『とうみ屋』に行きましょうか!」

???「おっ、行く行く〜。俺のカレーパンが待ってる〜。」

???「俺、かき氷ね!」

???「だから、かき氷は夏限定メニューだって何度言ったら…あ、俺も行く。」

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