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第十九話 多摩川河川敷のシンデレラグース

黒龍高校。


通称。


“シンデレラストーム”。


逆転しているように見せかけ、


気づけば窮地へ追い込まれている。


灰かぶりの嵐。


実況が叫ぶ。


「織冠高校、完全にハマったーーー!!」


観客。


どよめく。


スコア。


織冠。


44。


欲しい数字は6。


だが。


6のスキットルは遠い。


周囲を別数字が囲む。


少しズレれば終わる。


50超え。


25へ逆戻り。


絶望。


孔明。


青ざめる。


「……詰みだ」


劉備。


唇を噛む。


馬謖。


「まるで街亭……」


「その例えやめろ!!」


しかし。


タモリだけは、


静かだった。


タモリ。


小さく呟く。


「……読んでた」


周律。


「え?」


タモリ。


「シンデレラストーム」


「だが」


「攻略法はある」


その瞬間。


タモリは手を上げた。


「タイム!!」


実況。


「ここで織冠タイムアウト!!」


織冠メンバーが集まる。


空気。


最悪。


絶望。


その時。


タモリは言った。


「諦めたら」


間。


「そこで試合終了だ」


沈黙。


風。


観客。


ざわつく。


そして。


織冠メンバー。


全員。


微妙な顔。


周律。


「……ずっと言いたかったんですね」


安西ことタモリ。


「夢だった」


馬謖。


「そこ認めるんだ」


空気が少しだけ緩む。


タモリは叫ぶ。


「関羽!!」


関羽。


「応!!」


「タオル持ってこい!!」


数秒後。


なぜか。


織冠全員。


タオル所持。


タモリ。


「回せ」


周律。


「え?」


次の瞬間。


ブンッ!!


劉備。


回す。


ブンッ!!


呂布。


異様に綺麗。


ブンッ!!


関羽。


無駄に力強い。


アウフグース。


開始。


肩が暖かくなってくる。


タモリ。


「この条件、まずはメンタルを解さないと、萎縮してフォームが小さくなったら負けだ」


孔明。


そうか、シンデレラストームの真の恐ろしさとは、精神への攻撃、緊張する場面を作り上げ、本来の力を発揮させない、、、。


タモリ


「回せ、まわせ、回せ!」


劉備は楽しそうだ。


「うおおおおお」



実況。


「な、なんだぁぁぁ!?」


観客。


困惑。


しかし。


石嶺先輩も回し始める。


石嶺先輩


「熱波ァ〜♡」


かわいい。


観客。


盛り上がる。


なぜか。


観客もみんな回し始める。


タオル。


タオルがない者はTシャツを脱ぎ、Tシャツを回す。


帽子。


うちわ。


さらに。


ペンライト。


周律。


「なんでペンライト持ってるんですか」


3000人。


全員回す。


河川敷。


異様。


実況も混乱。


「会場が完全にサウナフェス状態です!!!」


その熱狂の中。


タモリは孔明へ近づく。


低い声。


「いいか」


「これは罠だ」


「だが」


「細い道だが」


「たった一つだけ」


「この状況を打破する方法がある」


孔明。


目を見開く。


その瞬間。


全部繋がる。


スキットル配置。


回転。


弾道。


風。


地面。


孔明。


「……!」


タモリ。


「気づいたか」


孔明はゆっくり頷いた。


そして。


タオルを置く。


代わりに。


“水”


と書かれたセンスを持つ。


周囲が静まる。


孔明。


静かに言った。


「わかりました」


「答えは戦場で示します」


その姿。


風に揺れるセンス。


夕日。


汗。


劉備。


胸がキュンとなる。


「……かっこいい」


周律。


「顔赤いですよ」


劉備。


「うるさい」


呂布と馬謖は、


呆れた顔でその様子を見ていた。


馬謖がぼそっと呟く。


馬謖


「凡聖一如……」


周律。


「急に難しい四字熟語やめてください」


そして。


孔明。


グラウンドへ戻る。


観客。


静寂。


黒龍主将。


不穏な顔。


孔明。


構える。


投げる。


カン―――!!


スキットルが弾かれる。


回転。


連鎖。


そして。


奇跡みたいな軌道で、


“6”だけが倒れた。


沈黙。


実況。


「うおおおおおおおおお!!!!」


「シンデレラストームが!!!」


「破られたぁぁぁぁぁ!!!!」


会場。


爆発。


関羽。


「軍師ィィィ!!!」


劉備。


泣いてる。


黒龍主将。


崩れ落ちる。


タモリ。


小さく笑う。


そして。


この時の、


3000人アウフグース。


通称。


“多摩川河川敷のシンデレラグース”。


その映像はYouTubeに上がり、


後に全世界1億再生。


サウナ界の伝説となる。

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