王都へ
いっぽう異世界不動産では多くの行列を陰で見ながらトットは同僚のサロスと雑談を交わしていた
「おいトットまたやったのか?」
「なんのことだ?人聞きの悪い言い方して」
「だってよ〜さっきの景都とやらのヒアリングはしょってなかったか?」
「あぁ〜そのことか、ちょっとした出来心だよあぁいう世間知らずのガキはもっと世の中の現実ってやつを知るべきなのさ」
「ゲッ!ひでーやつだなお前は…」
「うるせえよい!まぁあいつが今後どうなろうと知ったこっちゃないさでもあんな雑魚ステータスじゃすぐ野垂れ死ぬのが関の山さヘヘッ」
「おいっ!!そこの二人!!何サボってんだ!!」
「やべ!仕事に戻るぞ」
「へいへい」
景都達はひとまず教会を出て王都を目指すことになった
「なあ景都、本当に大丈夫か?」
「うん、、信ありがとう」
ステータスに絶望していた景都だが何よりの救いは信や他の転生者が優しく接していてくれたことだった
現世でもろくに友達作りもできなかった景都にとっては心の支えとしては十分すぎるほどだった
「でも景都のユニークスキル、俺はそれに何かとてつもない可能性を感じるよ」
「なぜ文字が読み取れなくなっているのかしら?」
「僕にも分からないんだ、ただ発動条件もきついしただのバグなんだと思ってる」
「まあとにかく前進あるのみだな!!」
「峻らしいね…僕からしたらみんなのスキル一つ一つがユニークスキルに見えるよ」
「確かに、特に信のステータスは化け物じみているわね」
「それよりも神父よいったいいつ王都とやらに着くのだ!!」
相変わらずこの厨二病野郎は空気も読めなきゃ会話もできないやつだな
「この森の先にある橋を越えた先が王都ロンダルクになります。もう少々ご勘弁願います。」
木々の間からの光が心地い森の中を進んだ先に大きなレンガ作りの橋が悠然と景都たち一行を待ち構えていた
橋の先には100メートルはあるかという高さの塀が円形に先が見えないほど広がっていた
「すっげ〜〜」
「これは美しい」
自分の境遇など忘れ景都はただただ目に映る景色に圧倒され、曇り始めていた視界が晴れていくのを感じた
「これだよ、ここにずっときたかったんだ…」
「なんだお主、泣いているのか?弱いの〜」
「うるさい!これはそういうんじゃねーんだ!!」
塀の中央にはこれまた大きな扉と門番が待ち構えていた
「ようこそシュビル様!そして転生者様御一行!」
「開門!!!」
号令がなり響き門が大きな口を開けるかのように開き始めた
「わぁぁぁ〜〜〜!!」
見たこともない人の数と地響きのような歓声が景都たちを出迎えた