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2.戸惑い

「……ちゃん!お……ちゃん!お兄ちゃんってばぁー!どうしたの?」

あまりの衝撃にしばらくフリーズしていると

妹に肩を掴まれて正気に戻された

「あぁ…ごめん少し考え事してた」

「もう!しっかりしてよね〜どうせ春奈ちゃんが可愛くて見とれてたんでしょ!こちら

同じクラスの桜田春奈ちゃん!席が隣で仲良くなったんだ~

んで、こっちが私のお兄ちゃんの北村冬馬」


「初めまして今年からこの街に引っ越してきた桜田春奈さくらだはるなと申しますお忙しい中お邪魔してすいません

将来パティシエになりたくて夏希ちゃんにお願いして遊びに来ちゃいました」

……

………声もまったく同じだと!?

そして俺はまたフリーズしてしまった

「お兄ちゃんってば〜またぁ?大丈夫?体調悪いの?」

夏希にまた肩を掴れて正気に戻る

「あぁ…大丈夫だよ、ごめんなちょっと疲れてたみたいだ、春奈ちゃんだったね?こちらへどうぞ飲み物は紅茶で大丈夫かな?」

「あっはい!ありがとうございます!」

「じゃあ準備してくるからゆっくりしてて」

そう言って厨房に向かう

……心臓の動悸が止まらない、声、姿、喋り方、前世の妹そのままじゃないか…

もしかして「ハル」も現世の世界に転生してしまったのか?それとも本当に似ているだけなのか?

そういって自問自答しながらケーキと紅茶の準備をして夏希たちが待つテーブルに向かう

「お待たせ!こちらショートケーキと紅茶

ゆっくりしていってね」

「ありがとうございます」

やっぱり驚くほど一緒だ

「ありがとうお兄ちゃん!お兄ちゃんも

ちょっと話していこうよ!」

よくやった夏希これで確かめられる

「あぁそうだな…じゃあちょっとだけお邪魔しようかな?いいかな春奈ちゃん?」

「あっはい!是非!」

声を聞く度、胸が切なくなる、こんなにも似てる人がいるのか

「じゃあ少しだけ、あっケーキ食べてよ自信作なんだ!」

「お兄ちゃんのケーキはすごく美味しいんだよ!」

「すごく美味しそうで綺麗です!いただきます!」

そう言うと春奈ちゃんはケーキを一口食べると満面の笑みで

「すごく美味しいです!こんなに美味しいショートケーキ初めて食べました!」

……涙がこぼれた…

転生前に妹ハルが大好きなイチゴを食べた時と同じ笑顔だ…

「どうしたの!?お兄ちゃん!」

夏希の言葉で正気に戻る

「ごっ!ごめんな!春奈ちゃんが美味しそうに食べてくれて嬉しくて!ちょっと恥ずかしいな!やっぱ厨房に戻るよ」

俺は急ぎ足で厨房に戻る

「ははは恥ずかしいな…働いて落ち着こう」

……2時間後


「お兄ちゃーん!春奈ちゃん帰るよ〜」

「わかった!すぐ行く!」

そう言って入口に向かう

やっぱ恥ずかしいな、まさか泣いてしまうとは…


「本日はありがとうございました、ケーキとても美味しかったです!また、お邪魔しても大丈夫でしょうか?今度は是非、パティシエの事とかを聞いてみたいです!」


「大丈夫だよ!これから夏希をよろしく頼むよ仲良くしてやって!あっあと、これよかったら家族と食べて!」 

そう言ってお土産のケーキを渡す

「ありがとうございます!姉が喜びます!」

「じゃあお兄ちゃん私は春奈ちゃんを送ってくるね!」

「あぁわかった気をつけてな!」

そう言って2人を見送る

……

結局、春奈ちゃんに何も聞けなかったな…

次遊びにきた時にそれとなく探ってみるか…

「ハル」だったらどうしよう……すごく気になる…

あっ!……あぁヤバい…夏希に泣いた所を見られてしまった…はぁ〜…帰ってきたら面倒くさい事になるなぁ…



とある定食屋

……

…………

……………ガラガラ


「いらっしゃーい!まだ開店してないんですよ〜って……なんだ春奈かおかえり!どうだった学校は楽しかったか?新しい友達はできたか?………ん?どうした?泣いてるのか?何があった?姉さんに言って…」

……

「……姉さん……いたよ?…」

「……ついに見つけたのか?」

そう言って寂しそうにそして優しく包み込むように姉は春奈を抱く

春奈は我慢の限界が来てしまい涙が止まらない…

「……うん……いたよ……ついに見つけたよ…兄さんいたよ……」


「……そうか…」


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