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第30話 呼びかけ

3月30日。天気は晴れ。



スライムの僕は愛がいるであろう城の門の前で漫才の練習をしていた。




僕 「どうも~、お笑いコンビの『愛と僕』です!」


愛 「」


僕 「愛ちゃん。君はいつになったら、外に出てくるんだい?

   ずっと城に籠ったまま、僕に連絡をよこさないなんて、君はどうかしてるよ」


愛 「」


僕 「いまここで君の名前を叫んだら、君はきっと窓を開けて、

   近所迷惑だ!なんて言うんだろうね」


愛 「」


僕 「愛ちゃーん!僕はここにいるよ~!」


愛 「」


僕 「お医者さんからもらった風邪薬、ちゃんと飲んでるー!?」


愛 「」


僕 「…ダメかぁ」


晃 「おい」


僕 「はっ!誰かと思えば、

   愛ちゃんのお兄ちゃんで高級車を乗りまわしている晃君、

   どうしたの?」


晃 「どうしたの?じゃない。

   お前。今、愛がどんな状態なのか知らないだろう?」


僕 「え…?」


晃 「高熱が出た日の夜から、愛はずっとベッドの上で、眠ったままだ…」


僕 「そんな…たっ、ただの風邪だって、お医者さんは言ってたのに…」


晃 「ただの風邪から重い病にかかることだってある…。

   目を覚まさない原因がわからない以上、今はどうすることもできない…。

   もう帰ってくれ」


僕 「嫌だよ!愛ちゃんに会わせて!僕の声を聞けば目を覚ますかもしれない」


晃 「スライムのくせに…」


僕 「え?」


晃 「ただのスライムに何が出来るっていうんだ?

   僕の声を聞けば目を覚ますかもだって?

   どんだけ能天気なんだよ」


僕 「…」


晃 「帰れ。お前に出来る事なんて何もない」


僕 「…」





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