第27話 風邪
3月27日。天気は曇り。
悪役令嬢の愛とスライムの僕は誰もいない森の中で漫才の練習をしていた。
愛 「どうも”~。お笑いコンビの『愛と僕』です」
僕 「愛ちゃん、何だか声が変だよ?」
愛 「あ”ぁ。ちょっと、風邪を引いてしまって声が出しにくいんだ」
僕 「…雨の日も風の日も、ここで漫才してたんだ。そうなるのも無理ないよ」
愛 「おいこら」
僕 「ん?」
愛 「あくまで今は漫才をしてるんだ。真剣に答え”るのはよせ」
僕 「わかった。じゃあ、スライムでも診てもらえる病院に行こう」
愛 「あぁ、そうだな…って、私はスライムじゃねーよ」
僕 「ごほごほ。実はね、僕も風邪を引いているんだ。
今朝、熱を測ったら85度で驚いたよ」
愛 「っ…お前は湯沸かし器か」
僕 「あ!そうだ!」
愛 「あ”ぁ?」
僕 「よいしょっと…。こうやって、愛ちゃんの頭の上にのぼって、
おでこを冷やせば良くなるかも!」
愛 「おぉ…。ひんやりして気持ちいい。冷えピタみたいだな…って、
お前、熱があるんじゃなかったのか?」
僕 「愛ちゃんと漫才をしてたら、いつの間にか良くなってたみたい。
楽しいことをしていると疲れなんて吹っ飛ぶから、今はもう平気だよ」
愛 「…そうか」
僕 「リアクションが薄すぎだろ!ってことで、
今日の漫才はここでおしまい」
愛 「え”?」
僕 「今からお医者さんのところに行こう!」
愛 「ごほっ…そうだな。そうするよ」
スライムは、おぼつかない足取りで歩く愛の体を支えながら、
町医者のところへ向かうのだった。
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