第13話 睡眠
3月13日。天気は雨。
悪役令嬢の愛とスライムの僕は誰もいない森の中で漫才の練習をしていた。
二人の事が気になるのだろう、木の陰に隠れながらケモナー少女がじっと
こちらを見つめている。
少女の猫耳と尻尾から雨の滴が滴り落ちていく。
その滴を払う様に、少女が小さく身震いした。
愛 「どうも~!お笑いコンビの『愛と僕』です!」
僕 「愛ちゃん、僕の悩み聞いて~」
愛 「なんだ?」
僕 「最近、夜中に目が覚めてしまうんだよね…。愛ちゃんはどう?
ちゃんと眠れてる?」
愛 「あぁ。私は毎晩ぐっすり寝てるけど」
僕 「そっか。睡眠薬を飲んでるんだね」
愛 「飲んでねぇーよ」
僕 「僕ね、夜中になると色々考えちゃうんだ。
死んだらどうなるか、とか…」
愛 「そんなこと考えてたって、死んでみないとわからないだろ」
僕 「そうなんだよね。何も考えず眠れたらいいんだけど、
こんな時、愛ちゃんならどうする?」
愛 「そうだな~。読書とか音楽鑑賞とか、
自分の好きな事をして眠くなったら寝るでいいんじゃないか?」
僕 「なるほど、いいアイデアだね!今度からはダンスしてから寝よう」
愛 「ダンスは身体を興奮させるからやめとけ。もっと他にあるだろ」
僕 「思いつかないよ~」
愛 「瞑想とかヨガとか、気持ちを落ち着かせるとぐっすり眠れるぞ」
僕 「わかった!じゃあ、ヨガとダンスを組み合わせて…」
愛 「踊るな」
「へっくしゅん!」
ケモナー少女のくしゃみに愛が驚き振り返る。
「大丈夫か?」
びしょ濡れの少女に向かって愛が言った。
「これ、良かったら使って!」
僕が手に持っていた大きな葉っぱをケモナー少女に手渡し言った。
「ありがとう…」
恥ずかしそうにそれを受け取り、ケモナー少女が去っていく。
二人は彼女を優しい目で見守り、その場を後にするのだった。
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