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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第三章 魔王と勇者
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魔竜との戦い その5


「うう……」


 土の味がする。髪が焼けて焦げ臭い。手足を踏ん張り体を起こす。早く立ち上がらなくては。

 蒼の剣を杖に起き上がる。まわりの景色が変わっていた。

 ここには木々が沢山あったはずだが、それがなくなっていた。あたりには焼け焦げた匂いがたちこめている。


 光に包まれるあの瞬間。とっさに魔法で氷の棺をつくり、その中に飛び込んだ。しかし、そこで記憶がない。それでも生き残っているのは少しはダメージを軽減できたのかもしれない。

 それよりも、この場から動かなければ。ここに身を隠すものは何もない。


「焼け残ったか」


 私の姿をした冥王竜が見下ろしている。私ってこんなに冷たい目をしているのだろうか。


 ドガァ


 何をされたかわからない。

 十メートルくらい吹き飛ばされた。

 腹部に激痛を感じる。呼吸ができない。


「がっ……がはっ……がふぁ」


 おそらくお腹を蹴られた。私の姿してるくせに威力は人間の蹴りじゃない。


 せめて……一太刀。


「蒼の……剣」


 ありったけの気力を振り絞り魔力を込める。


 ガキーン


 片手で虫を払う様に弾き飛ばされた。

 もうどうしようもない……


「終いだな」


 ガスッ


「あうっ」


 頭を踏み付けられた。

 

「さっさと割れてしまえ」


 一気に圧力が加わる。


「きゃあああああああああ‼︎」


 もう……だめだ。

 私が死んだら英雄の力は正しい人のところに行くのかな。

 そうだったらいいけど……

 

 ドゴッ


 私に乗っかっていた足が、凄い勢いで真横に吹き飛んでいった。


 頭にかかっていた力がゼロになるが、痛みで意識がはっきりしない。


「南の魔女とか魔王とか言われているのに大したことないんだな」



 

 

 

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