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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第三章 魔王と勇者
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魔王と勇者 その1


「おっはよーございまーす!ふぅれでりかさーん!いらっしゃいますかー」


 玄関の方で元気な声が聞こえる。

 今日の約束の相手だ。


「屋敷の裏まで来て。お外にあるお風呂があるとこ。わかる?」


 音声魔法で玄関まで声を飛ばす。


「わかりましたー!いま行きますね」


 それにしても、よくこんな辺境まで訪ねてくる。

 途中にまぁまぁヤバイ猛獣とかいるんだけど。


「フ・レ・デ・リ・カ・さ・ん……来ちゃいましたー!」


「 きゃあ!」


 突然耳元で声が聞こえた。

 心臓が……飛びそうになった。


「はぁはぁ……ねぇ。そういうのやめてよね。死ぬかと思ったじゃない。丁重にお帰りいただくわよニーサちゃん」


 いつのまにか、すぐ隣に金髪の少女が立っていた。


「そんなんで死んでくれたら勇者は苦労しませんよ。はい、お土産。紅茶です。フレデリカさんの驚く顔見れるなんて貴重ですね。ごちそうさまです」


 あいかわらず、この子の気配が読み取れない。あと可愛い。


「それより、黄色の勇者様が魔王城に遊びに来ていいと思っているの?まったく」


 ちなみに『魔王城』とは、わが家である屋敷の事だ。


「いいと思いますよ」


「そ、そうね……」


 その笑顔で話しかけるのやめて。否定できない。

 

「あー、ずるーい。盾さん一人だけ気持ちよさそう。わたしも、一緒していいですか?」


「えっ?あっ、はい。どうぞ。ニーサ様いらっしゃってたんですね」


「ありがとうございます」


 早着替えのチャンピオンの如く鎧と服を脱ぎ、盾さんの横に並んで……並んで……

 ……い、いや。別に悔しくないけど。もう胸の事は気にしないと決めたのだ。



ここまでお読みいただきありがとうございます。


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