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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第二章 銀髪の冒険者
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魔王誕生

 鍋から吹きこぼれるお湯のように、体から魔力が吹きこぼれている。

 吹きこぼれた魔力は波紋のようにまわりに広がって、この空間を支配していった。すでに、転移無効の結界は打ち消した。


「叡智さん帰りましょ。転移魔法の準備をお願い」


「は、はいフレデリカ様」


「魔女め!逃がさないと言った……」


 ドゴッ!


 赤の勇者の腹部に拳がめり込む。


「ぐふっ」


 一瞬で落とした。痛みは感じないはず。


「南の魔女ぉ!よくも……うっ」


「リンクくんもゴメンね。体の力抜いて」


 青の勇者の頸動脈を締める。

 眠るように、ゆっくりと地面にくずれ落ちた。


 この空間で私の動きを捉えることは誰にもできない。


 シュン


「いやぁ、来ないで!もう何もしないからぁ!こっちに来ないで……あっ……あ……あ」


 敵が目の前に突然現れるのだ。ビックリするのも無理はない。


「ニーサちゃん。大丈夫。怖がらないで。抵抗しなければ何もしないから」


「なんで⁉︎わたし達って勇者じゃないの?動き全然見えない。二人とも一瞬で。ごめんなさい。何もしないで。許して」


「落ち着いてニーサちゃん。二人にも伝えてほしいの。私たちは世界を滅ぼしたりしないから。だから戦うのやめよう」


 そっと背中から抱きしめる。


「わたしのこと……殺さないの?」


「そんな事しないよ。あなた達だけじゃない。もう誰も殺めたりしないから。あなた達の前には二度と現れないから。さようなら。みんなで旅できたの楽しかったよ」


「そう……わたし……も」


 意識を失った。

 彼女をそっと地面に横たえる。


「また、あの人との約束まもれなかったなあ……さあ、そろそろ帰ろうかしら」


 聖騎士の方を振り返る。


 シュン


 一瞬で移動する。


「叡智さんの転移ほどじゃないけど便利ねコレ」


 あとからわかった事だが、自分の魔力を放出し、その魔力が支配している空間内を瞬間移動できるみたいだ。


「フレデリカ様。その力は?」


「あの悪魔がよこした力よ。これじゃあ本当に化物になっちゃったわね。詳しくは帰ってからにしましょ。私、お腹減っちゃった。蒼の剣、帰りましょ」


 地面に刺さっていた蒼い剣が戻ってきた。

 いつもの定位置である背中に収まる。


「叡智さん、お願い」


 四人と一振りの剣は光に包まれ、北の大地を後にした。






 


 


 


ここまでお読みいただきありがとうございます。


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