これから……
「フレデリカ様。これからいかがなさいましょう」
叡智の聖騎士がひざまずく。
こんな小さい子にこんな事させるのは、ちょっと罪悪感が。
「そんなに大げさにしなくていいのよ。私、別に神様ってわけじゃないから。いいから体起こしなさい。ねっ」
「そういう訳にはいきません。あたし達は神の命令で、あなたにお仕えする様に言われております」
「そうなんだ……うん、わかった。そしたら、これからどうするかって話よね?でも家族の敵討ちも終わっちゃったからなぁ」
先程の一騎打ちの記憶が甦る。
手にはまだ感触が残っている。気持ち悪い。
「フレデリカ様……泣いていらっしゃるのですか?」
「えっ、何?嘘っ?ち、違うわよ。ちょっと友達の事思い出しただけよ」
まただ。今日は泣いてばっかだ。きっと目のまわりが大変な事になってしまっている。あとで、ちゃんとケアしなくちゃ。
なんか感情が上手くコントロールできない。
もう全て終わったのに。後戻りできないのに。
「それはそうと、シャルや他の人達をちゃんと埋葬してあげなきゃだよね。でもその前に、やっておいた方がいいかなって事があるの。本当は嫌なんだけど私がやらないと終わらないから。あなた確か、瞬間移動みたいな事出来たわよね?」
「はい。あたしが行ったことある場所。同伴者が行った事ある場所。人の魔力や生命エネルギーを感知出来たその場所。あとは目で見える範囲でございます」
「すごいなぁ。行きたい場所へは、ほぼ行けちゃう感じね。ちょっと行きたい場所多いんだけど付き合ってくれるかな?一日で終わらないかもしれないけど」
「あたしはフレデリカ様の叡智となる者。なんなりと御命令ください」
「そうしたらとりあえず、血だらけの体をお風呂で綺麗にして着替えたいし。私の部屋に行ってもらおうかな。ちょっと遠いけど、お願いできるかな。よかったらあなたも一緒にどう?」
「えっ⁉︎あたしも?えっと……こういう場合は……ご、御命令とあらば」
この人達も、こんな表情する事もあるんだ。意外。
「じゃあ決まり。体とか洗ったげるね。ところで盾の女の人って大丈夫なの?大怪我してたけど」
「はい。あたし達は神の加護がありますので。完全に命を絶たれなければ、わりと大丈夫なんですよ。剣の聖騎士と一緒に本拠地に送りましたので一日ほどでで回復します」
「良かった。彼女にも謝らないといけないな。ひどい事しちゃったし。剣の人にもお礼言わなきゃ。それじゃあ出発しよっか」