早めの再会 その4
「だけど凛ちゃんまで裸になる事ないと思うのよね」
何故かゼロ距離密着している肌の感触から、彼女が何も身に付けていないことがわかる。
「まぁ確かにそうなんですけど。でも、フレデリカさんが目覚めて、自分だけ裸だったら恥ずかしくないですか?私の優しさと思いやりですよ。女子同士だし問題ないですよネ」
くわぁ。
美少女スマイルが突き刺さる。
この微笑みの前では全ての人類が無力と化す。
でも私は知っている。早坂凛という人間は、この子の御先祖と同様に、同性にも強い好意を抱くことができる。
相手がそうでなくとも、その容姿で相手を自分のフィールドに引きずり込むのだ。
「そ、そうなんだ。ありがと」
わかっているのに、この始末だ。
絶対顔赤くなっている。
とりあえず起きて出掛ける準備をしよう。
一刻でも早く目的を果たさなければ。
それから私は朝食を頂き、血液検査の為に女坂探偵事務所へと向かうのだった。
注射器一本分の血液を採取され、休憩室で休んでいると凛ちゃんがやってきた。
「おつかれさまです。無事に終わったみたいですね」
手にはトートバッグを持っている。
水着は自分で用意しないといけないみたいな事を言っていた。私のも用意してくれると言っていたから、きっとソレだろう。
「うん。せっかくの休日なのにゴメンね。私なんかに付き合わせちゃったりして」
「いいんですよ。フレデリカさんとデートなんて楽しみでしかなかったですよ。それとフレデリカさんの水着も用意してきまし。サイズは昨夜測っといたからバッチリです」
いやいや。私には採寸した記憶がないのだけれど。
「そ、そうなのね。ありがと」
採寸に関しての追求は置いといて、用意してくれた水着の着心地は動きやすくて最高だった。競技用の水着らしく、水の中でも動きやすい。せっかくなので一着貰っていこう。
こうして、昨夜摂取したカロリー分をプールで無事に消費し、女坂探偵事務所が用意してくれたホテルで眠りについた。