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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第二章 復讐の女王
393/436

番外編 天使フレデリカの翻弄 その4


            5


「返してぇー!お願いだから返してください‼︎」


 こんな醜態をさらすとは思わなかった。

 両膝を地につけ額をを地面に擦り付ける様に頭を下げて懇願する。周りの冷たい視線が突き刺さるのを全身で感じる。

 でも、そんな事構わない。()()子を取り戻せるなら。

 

「何を言っているのです?ニアは元々貴女のものではないのですよ。今頃ニアは、養成機関の施設に届いている。どっちにしろ気付くのが遅いのですよ」


「だって!それはあなたが!あなたが少しだけ休養しろって!」


「貴女がゴネるのがわかっていたからですよ。あと、その呼び名無礼ですよ。様を付けなさい。従属のくせに意見をするなんて。ここ数年で何か勘違いをおこしたようですね」


 あぁ……私が甘すぎた。

 私が幸せな未来を迎えられるはずがない。

 この天使は、最初から私の血が必要なだけだったのだ。

 

「お願いします!あの子は!私にとってのニアは!」

 

 それでも私は懇願するしかない。

 あの子は私の生きがい。私にとっての全て。

 

「しつこいですよフレデリカ。貴女は用済みなのですから静かにしていなさい。貴女の処遇は後で考えます。私は忙しいのでフレデリカにかまっている時間はないのですよ」


「くそぉ!許さないガブリエル!私はぁ!わ……たし……」


 頭の中にノイズが走る。

 幾度となく体験している感覚。

 修正だ。天使からの修正。

 意にそぐわない行動がトリガーとなる。

 従属天使に備わっている安全装置。

 私にとっての呪い。


 そうだった。忘れていた。私は天使共の奴隷だった。

 元から希望なんてなかったんだ。

 

「あ…たまが……真っ白に……嫌……だ……私のニア……忘れ……ちゃう……ニアのこ……と……い……や嫌だ……」


 


 


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