表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第二章 復讐の女王
370/436

いざ、魔王城へ その6


「母様。私がやりましょうか?あの人のこと助けたいのですよね?」


 えっ?なんて言ったの?

 シルフちゃんが戦うってこと?

 たしかに彼女は優秀なヴァンパイアだけど。でもそれは、サポート能力に関しての事だ。直接戦闘に関しては向いていない。


「大丈夫だよ。あなたを危険な目にはあわせられないよ。私がやるから大丈夫だよ」


「いえ。倒そうとは思っていません。殺さずに無力化します。母様があの人を助けたいと思っているなら、私も命を奪うことはしたくないです」


 人はこんな短期間で変われるのだろうか。

 私の考えていることを理解してくれるなんて。

 やっぱりこの子。根は優しい女の子なのかもしれない。


「ありがと。でも、そこそこ手強いよ」


「大丈夫です。私に物理攻撃は効きませんから。母様との戦闘を見ている限りですが、魔法の類いは使わなそうですから。心配してくれて、ありがとうございます母様」


 獣人を警戒しながら少女の目を見る。

 不安や怯えは感じられない。

 

「わかったよ。お願いするね。危なくなったら私も入るけど。いいかな?」


 この子を死なせるわけにはいかない。

 いざとなったら割って入る。


「大丈夫ですよ。私もやる時はやるんですよ。それに、母様のおかげで力も上がっているんですよ」


 私のおかげ?

 特にパワーアップ的なサポートはしたおぼえはないのだけど。


「それじゃあ行ってきますね」


 シルフちゃんの姿が蜃気楼の様に歪む。


 バサッ


 何かが地面に落ちた音。

 そこには、ヴァンパイアの少女が身につけていた服が残されていた。その持ち主の姿はどこにも見当たらない。


「ねぇ⁉︎シルフちゃん⁉︎」


 心拍数が一気に上がる。

 自分でも動揺しているのが、はっきりと自覚できた。

 

「シルフちゃん!どこ⁉︎」


 周囲を観察する。

 いない!いない!いない!

 シルフちゃん……消えちゃった……


 ふわっ……


 髪をなぞるように何かが通り過ぎる。

 

「いい匂い……。この香りはシルフちゃんの」


 不思議な気配は私のまわりを『ぐるっ』と一周まわる。

 まるで優しく髪を撫でられているみたい。

 気がつくと、視界が煙に覆われていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ