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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第二章 復讐の女王
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新しいパーティー その4


「さすがね。あの環境で生き残るなんて。不死身体質は伊達じゃないわよね」


「何でしょう。その生き残っていて残念的な物言いは」


「そんな事言ってないでしょ。今の状況下で、あなたが味方にいるというのは心強いわよ。ほんとに」


 この堕天使ガブリエル。

 基本的に不死身で死ぬことはない。

 肉体が消滅したとしても、あたり前の様に再生し復活するのだ。


「とはいえ。あの結界の中では全てを封じられていました。あのまま衰弱死していたとしたら、再生が発動しなかったかもしれません。だからフレデリカ。貴女には感謝しているのですよ」


 この落ちぶれ天使。

 ほんとうに素直じゃない。

 

「昔からそうだけど、あなた素直に言葉を述べればいいと思うの。感謝しているなら普通に『ありがとう』という一言で済むのに。今回だって、私やデスサイズさんの為に頑張ってくれたんでしょ?だから私も、あなたに感謝しているのだから」


「なっ、べ、別にフレデリカの為に生きながらえたわけではないのですよ!メルセリウムにも、フレデリカの所在を探させたのも深い意味はないのだから!」


 へぇー。初めて聞いた。

 そうなんだ。私の事探してくれていたんだ。


「ねぇ?あなた私の事好きでしょ?」

 

 意表を突いた質問に、天使の表情が一気に崩壊する。

 しかも、こんな真っ赤な顔の天使は初めて見るかもしれない。

 これは貴重だ。

 

「バ、ババババカな!わた、私と貴女は、絶対的に、て、敵対する関係なのだよ!だ、だからぁ!別にフレデリカの捜索させたのも、私が助かる為なのだよ!それ!私の計略通り!私は五体満足で、ここにいるではないかぁ!はははははははは‼︎」


 いや。焦りすぎだよ天使。

 言葉使いがメチャクチャだ。


「天使ってツンデレさんだったんだね」


「つ、つ、つ、つんでれ?な、何だそれは⁉︎」


「ううん。何でもないわよ」


 意味を伝えると収拾がつかなくなりそうなので、やめておく。


「天使ぃ。私さ。あなたの罪の事……もう罪の枷から解放してもいいかなって思うの。別に許すってわけじゃないけど。私の下で働いてきてくれた期間だけでも、あなたって皆んなが良くなる様にやって来てくれたでしょ?だからさ。少なくとも私だけは……そう思うんだよね」


「フレデリカ……私は……私は……」


 あの天使が泣いている?

 今日は本当に貴重なものを見る事ができる。


「天使。そういう時はアレでしょ?」


「ああ、そうですね。すまなかった。ありがとう」


「はい。よくできました」


 私が天使に対して笑顔で話せている。

 天使の事を貴重だなんて言えないな。


「フレデリカ……もしも貴女が許してくれるのであれば……その……」


「何よ。何かしてほしいわけ?だったら早く言いなさいよ」


「い、いや。何かして欲しいとかではないのだが……その……私の事は名前で呼んでくれないだろうか?」


「あれ?いつも名前で呼んでなかったっけ?」


「断じて呼んでいない。『落ちぶれ天使』とか『天使くずれ』とかだ……」


 うわっ。

 酷いな私。大概にしないと。


「ごめんごめん。それじゃあ、これからもよろしくねガブリエル」


「…………ありがとうフレデリカ」






 


 

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