表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第二章 復讐の女王
343/436

傷つきしヴァンパイア その2


 あっ、いたいた。あれね。なんか服装がボロボロだけど大丈夫かしら。負傷もしているみたいだし、厄介ごとに巻き込まれなければいいけど。


 念のため気配を消す。

 逃走された場合でも捕まえられる距離にまで接近する為だ。


(万が一逃走を計られたらサポートお願いね)


 私の意図を理解してくれたのか、青く輝く相棒は上空に上がっていく。


「ねぇ。そこのあなた。聞きたいことがあるのだけれど。ちょっとだけいいかな?」


 驚かせない様に、三メートルほど距離をおいて声をかけた。


「…………ひぃい‼︎」


 えっ?何?その反応?

 その恐怖で怯えた表情はなんなの?

 明らかに私の顔を見て反応した。


 それと、短い髪から性別は男性だと思っていたけれど声が女性だ。

 注意深く見ると、短い髪は力任せに引き千切られた痕跡がある。これって普通じゃない気がする。

 これは……嫌な予感しかしないのだけれど。


「も、もう許してください!家族の生命で許してくださいぃ!もうやめて!やめてくださいぃぃ!」


 理由はわからないが、女性ヴァンパイアはパニックに陥っている。

「ちょっと落ち着いて。私は何もしないから。ねぇ?怪我してるみたいだし治療しよ。ねっ?」


 理由はわからないがパニックになっている。

 

「嫌ぁ!近づかないでぇ!許してくださぁい!もう許してぇ!」


 特徴的な紅い瞳から涙が止まる事なく溢れている。

 私って有名人かもしれないけど、そんなに恐怖の象徴的な存在はないけど。


「ちょっと待って。治療してあげるって言ってるの。だから少し落ち着いて。ねっ?」


「こっ、こないでよー!お願いします!お願いします!腕とか足切るのやめてくださいー!」


「何言ってるの?ねっ?私のこと知ってる?二年前くらいに……」


「こないでー!殺戮女王フレデリカーァァ!」


「なっ、殺戮女王⁉︎」


 初めて聞く自分の異名だ。

 あまりに物騒な二つ名に、ちょっとだけ動揺してしまった。

 もちろんだが、この名称に心当たりはない。


「いやぁぁぁ!いやぁ!いやっ!」


 だめだ。パニックで話は出来そうもない。

 ここは……


「蒼の剣!この子眠らせるから手伝って!」


 と言っても、私が睡眠魔法を使うわけではないけど。

 私がやるとしたら……殴って気絶させる事になる。

 んー、少しは色々習得した方がいいかもしれない。

 これじゃあ『脳筋』とか言われてしまう。



 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ