表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第一章 魔界の女王
327/436

空の上にて その2


 私の知っている声だ。

 首を少しだけ傾けて見ると巫女装束が見えた。

 やっぱりだ。この声の主は巫女さんだ。

 すごいなぁ。

 この子は、こんな事まで出来るなんて。魔法とかの概念がない世界とか言っていたのに。こんな力を隠していたなんて。


「……ははは。すごいわね。こんな高いところまで来れるなんて。さすが巫女さんだね。ふぅ……でも助かったわ。死ぬかと思った。また命拾いしちゃった。ありがと」


 背中越しに感謝の言葉を伝える。

 

「あのねぇ。あいも変わらず目的の為なら命を捨てようとするんだから。フレデリカの悪い癖ね。昔から直ってないね。まぁ今回はギリギリみたいな感じだから仕方ないのかもしれないけれど。でも最初から本気でやれば余裕だったんじゃないの?」


「????」


 頭の中で『?』が高速でクルクルと回り始める。

 巫女さんと感じたのは間違いなのだろうか?

 声は確かに巫女さんの声だ。

 

「あ、あの……私……勘違いしているのかもしれないけれど、あなたの事……私は巫女さんだと認識しているのだけれど。人違いだったら……ごめんなさい」


 魔力を使い果たしてしまって精神的に弱っているせいかもしれない。思考が上手く機能しない。


「ふふふっ。半分は正解だよ。さて私は誰でしょう?」


 口ぶりから私のことを知っている人物であることは確かだ。

 半分?半分って何なのよ。人物当てに半分も何もないじゃない。

 こんな時に蒼の剣(あのこ)がいてくれたら……


「そうそう。これ大切なものでしょ?はい……って持てないわよね。私が預かっておくね」


 私の思考を読んだかの様に、青いクリスタルの剣が目の前に差し出された。


「あ……蒼の剣……回収してくれたの?ありがと……」


「いいのよ。あとは任せて。今は眠りなさい。ちゃんと地上まで送るから。安心して。おやすみなさい」


「あ……ありがと。おやすみな……さい」


 何者かわからない人物の『おやすみなさい」の言葉に何故か安心感を感じた私は、一瞬で深い眠りへと落ちた。

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ