表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第一章 魔界の女王
308/436

情報収集という名の…… その3


 チュンチュンと何かの鳥が鳴いている。

 清々しい朝だ……と言いたいところだが完全に睡眠不足だ。

 疲労も残っている気がする。


「おはよう百合姉妹さん。昨夜はお楽しみだったのかしら?」


 百合姉妹……

 昨日のアキハバラ探索のイベントで、『百合』という言葉の意味は理解している。

 本屋さんの棚に、沢山の可愛い絵柄の本が並んでいたのを憶えている。


 ……この巫女。やってくれた。

 あのニヤニヤ顔から察するに全部知っていて私と凛ちゃんを二人きりにしたに違いない。


「ちょっと!わかっていて二人きりにしたでしょ!それに私たち何もなかったですから!」


「へぇ。凛の攻撃を凌いだってことよね?すごいわね。ほんとに。『魔王フレデリカ』の名は伊達じゃないのね」


「……凛ちゃんを捉えるのにどれだけ苦労したか。正面向き合って抱きついてきた時に、力で無理矢理拘束して魔法で眠らせたんですよ」


 一晩たったのに、まだ凛ちゃんの感触が身体に残っている。

 ついでに、二百年前にも同じ事があった記憶もよみがえる。

 そういえば、()()子も同じタイプの能力だった。


 『気配を完全に消せる隠密タイプは敵に回すと恐ろしい』


 これに関しては二百年前と変わらないみたいだ。

 まぁ、そんな奴がそうそう現れる事はないと思うけれど。


「おはようございます巫女さん。ところで二人して何の話をしているんですか?」


 えっ?嘘……。

 もしかして昨夜の記憶が飛んでいるパターン?

 巫女さんに視線を向ける。

 口元をニンマリしながら黙って頷いている。

 この巫女には一度、何らかの形で報復せねばならなくなった。


「何でもないよ凛ちゃん。それよりも、宿で朝食が出るみたいだから一緒に食べに行かない?」


「はい。是非是非ご一緒させてください」


 その屈託のない笑顔に、私は昨夜の所業を追求する事は出来なかったのだった。

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ