表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第一章 魔界の女王
291/436

女坂探偵事務所 その4


「時に。フレデリカは明日から、空間転移のマーキングで彼方此方回るのよね?」


 彼方此方という台詞に合わせて、巫女が指をクルクルと回す。


「そうね。まだ時間はあるけど、余裕をもって明日から行動しといた方がいいよね。今回の場合は特に」


 現在、正確な隕石の落下地点は割り出せずにいる。

 正確な座標が出るのは、おそらく落下直前。

 それに備え、転移で瞬間移動できる様に各地点をイメージ出来るようにしておかなければいけない。

 各地を回るメンバーは、この場にいる三人。

 私、巫女さん。それに早坂凛さん。

 今は、その打ち合わせがてら昼食をとっている。

 探偵事務所から五分ほどの場所にある食堂だ。


 ここは『アキハバラ』と呼ばれる街。

 巫女さん曰く、


『世界で一番エキセントリックに進化した都市』


「ふふふふ……せっかく経費使えるわけだし豪遊してしまうのね」


「巫女さん。あまり無駄使いすると真琴さんに怒られますよ」


「いいのよ凛ちゃん。作戦をしくじったら皆死ぬのよ。あまり悔いを残し過ぎると成仏できないのね。店員さんすみませーん!餃子を二人分所望するのね」


 巫女が新たな料理を注文する。この子ってば見た目に似合わず大食いのようだ。でも『ぎょうざ』なるものは気になる。言葉の響きが既に美味しそうだ。


 それから餃子とデザートを平らげ、私達は店を出た。

 

「さぁて。食後に運動がてら散歩でもするのね。フレデリカ。妾についてくるのよ。とっておきの場所に案内してあげるの」


「えっ?とっておきの?……えっと……よくわからないけど。でも、お願いします」


 明日から忙しくなるかもしれない。

 せっかく知らない世界に来たのだ。

 異文化にふれておくのも悪くないかもしれない。


「ち、ちょっと巫女さーん!もしかしてフレデリカさんを、()()お店に連れて行くつもりじゃないですよね⁉︎ダメですよ!あんな乱れた内容の本を見せては!」


「乱れているだなんて失礼なのよ。あれはあれで我が国の文化なのよ。それにフレデリカには素質を感じるのよ」


 巫女さんが『ぎゅっ』と手を握ってきた。なんとも熱烈力強い。そして熱い視線。何が彼女をここまで燃え上がらせるのか。

 それにしても。たった一日、一緒に過ごしただけなのに、ここまで心を許せるようになった。私のことも人として接してくれている。

 きっと根はいい人なのだ。


「何の素質なのかは分からないけど、巫女さんがそう言ってくれるなら私はついて行きます」


 私も巫女さんの手を握り返す。

 

「大丈夫かなぁ。フレデリカさん。本当に無理しなくていいんですよ。巫女さんの趣味に付き合う事ないですから。気持ち悪くなったら私に言ってくださいね。すぐに連れ出しますから」


「ありがと。早坂さん。なんか久しぶりに人の優しさに触れたよ」


 相変わらず優しい。私も、この人くらい優しくなれたらな。

 でも『気持ち悪くなったら』というワードが気になる。

 まっ、いいか。今日は楽しもう。


「凛でいいですよフレデリカさん。本当は最初、悪魔を召喚するとか言うもんだから、ちょっと怖かったんです。フレデリカさんが来てくれてよかったです。改めて、よろしくお願いします」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ