蒼の魔剣 その4
いつのまにか大気の震えが収まっていた。
おそらく上空に召喚された隕石が消失したのだ。
先程とは違った沈黙が玉座の間に広がっていた。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
ガブリエル、デスサイズ。私も含め三人もいるのに誰も口を開かない。
他の二人は知らないけど、私はドン引きしている。
蒼の剣のアナウンスで、私だけは何が起きたかは把握出来ているからだ。
けど……
「世界が収縮……?」
言葉の意味が分かるけど、その意味のままの事が起きていたのであれば私の理解が追いついていないことにになる。
「「世界が収縮?」」
私が呟いた言葉を二人がが復唱する形で口にする。見事にハモっている。
「フレデリカ?」
「フレデリカ様?」
返答できない私に追撃が入る。
ちょっと待って。蒼の剣先生に聞いてみるから。
「蒼の剣。さっき起きた現象の詳細を教えて」
この場にいる者の代表として唯一、理解している……この現象を引き起こした張本人に質問を投げかける。他の二人にもわかるように、あえて声に出した。
「了解しました。簡単に申し上げますと、刺客のいた座標の空間を切り開きました。当然そこにあった……居た刺客の体も空間ごと分断。その後、断裂ささた空間が戻る際、分断された六つの破片は切った隙間に吸い込まれ異次元へと落ちたものかと思われます。ちなみに、異次元の狭間がどうなっているかは私の知識にはありませんでした。以上です」
私も人間界と魔界を往き来する時に、次元の壁を切って開く事が出来る。
だから薄々は目の前で何が起きていたかはわかっていた。
でも、そこにある物体ごと切るなんてことは私にも出来ない。
『空間』と『空間プラス物体』では難易度が段違いに違う。
少なくとも私には、『空間のみ』を切る事が精一杯だ。
それを容易く、当たり前にやってのける
この子……もしかして……私より強い……?