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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
新第一章 魔界の女王
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名もなき魔導具 その3


 蒼の剣。


 正式な名前は『蒼の刃』

 

 それは神より授かりし聖なる剣。

 神の使いである救世主が悪魔を討ち滅ぼす為の武器。

 クリスタルの様に澄み渡り、サファイアの様に青く輝く。

 救世主は、この剣を操り人の世界を幾度と救ったという。

 

 そして今。その剣は魔王である私の手の中にある。

 私の魔力で染め上げた聖なる剣は、蒼き輝きを残したまま魔界一の魔剣へと姿を変えた。

 

 この子は、ただの武器とは違う。

 しっかりとした意思が宿っている。

 二百年以上も私のことを護り続けてきてくれた。

 どんな強敵が立ちはだかろうとも、諦めずに私について来てくれた最強の魔剣であり、そして私の一番の相棒。

 

「おいで。蒼の剣』


 腕を伸ばし、右手を胸の前にかざす。

 何もない空間から一振りの剣が現れて私の手へと収まる。


 魔力を練り上げる。

 溜まった魔力は右手から蒼の剣へと流れていく。

 男を自分色に染め上げるかの様に、清く美しい聖なる剣は私の魔力で穢されていった。

 そして、透き通る青色の美しさ剣は、妖艶で妖しい紫色へと姿を変える。


「これが……あの最強の剣……」


 竜族の使者から深い溜息が漏れる。

 それは、憧れであり恐怖であり妬みが込められた吐息。


 ゴクッ……


 唾を飲み込む音がこちらにまで聞こえた。


 この剣があれば、世界を統一できる。

 そんな眉唾な噂話が魔界にはある。

 ばかばかしい話だ。

 この使者も、そんな噂話を信じているのだろうか。

 この子は私が望まなければ動くことはないのに。


 以前。今回の様な会談の場で相手方の使者がこの子を奪いにきた。

 剣さえ奪えば、私から王位を手に入れることが出来る。

 そう考えたに違いない。

 とんだ勘違いだ。

 この子と私がいて初めて最強となれる。

 奪いにきた相手は蒼の剣を持ち上げることも出来ず、控えていたデスサイズに魂を刈り取られた。


 これ以降、なるべく人前では蒼の剣は出さないようにしている。

 

 

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