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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第五章 ゴッドブレス
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番外編 新章序章 魔界での戦い その1


「おのれ……いつの間に……こんな腐れる世界に……ぐわわわっ!」


 天使が喰われている。

 二足歩行する牛……いや。頭部が牛の魔人と言った方が正しいかもしれない。頭から下は人と変わらない。

 身長は私の十倍ほどある牛の魔人に、大天使は喰われていた。

 しかも、体のほとんどの部分を咀嚼され、原形をも失って絶命した。

 そして次の瞬間。無敵の大天使は再生を始める。

 数分で元の体に戻った天使は、再び別の魔物の餌食となる。

 その繰り返し……

 この世界で、天使などは絶好の獲物。

 食事とされることもあるが、ほとんどは使い捨ての生きた玩具で惨たらしく殺される。


「ぎゃわわ!ぐはぁ!も、もう殺してくれぇ!もう終わりにぃ!うぐあはぁ‼︎」


 これで何度目の断末魔だろうか。

 すでに一週間以上、殺され続けている。

 表の世界である人間界では、天使の方にアドバンテージがある。

 だが、魔界に引きづり込まれたことで、パワーバランスは逆転した。

 彼が勝負できるのは下級レベルの魔獣だけだ。それ以外の魔の者には、ただ蹂躙されるのみ。

 私にすら敵わない。

 再び、光の粒子が集まり、天使の体を形成していく。

 どうやら大天使でも、自由には神の元には帰還出来ないらしい。

 不死ゆえに、死亡しての帰還が出来ないのが裏目にでている。


「うわー!も、もう!耐えられない!おかしくなる!フレデリカぁ!助けてくれぇ!私を守れぇ!」


 この天使を助ける義理などないけど。

 

「ねぇ。どうにか自力で戻れないの?私の家族にしたこと。忘れたわけじゃないでしょ。私があなたを守ると思うの?」


「わ、悪かったぁ!何でもする!何でもするから……ぎゃああ!」


「私と会話している場合じゃないでしょ。この牛頭に食われるの九回目よ。あなたが今すべきは、牛頭のいるこの場から離脱することよ。って……もう聞こえないか。また復活したら教えてあげよう」








 

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