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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第五章 ゴッドブレス
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エンディング…… その1


 なぁんて。

 タマヨリの話した件に関しては理解している。

 黄色の勇者が私に対して特別な感情を抱いていること。

 でも、この件は何年も前に解決している。

 彼女は、私よりホークを選んだのだ。

 それは絶対的に正しい選択。

 今回は、お酒の影響で間違った感情が表に強く出てしまっただけだ。

 この子は間違った選択なんてしない賢い子。

 隣でスヤスヤと眠る美人さんの髪を撫でる。

 この子は成長しても可愛いままだなぁ。

 この寝顔を見ていると、私の方が間違いを犯しちゃいそうになる。まぁ実際に、そんなことが起こる事はないのだけど。

 

「にしても……なんで私みたいな欠陥人間を好きになったのやら。この子の間違いは()()一点だけね」


 ため息混じりの独り言を吐き出す。


「それは私のことを色々と救ってくれたからですよ。それにフレデリカさんは欠陥人間じゃないですよ」


「……いつから起きていたのよ?」


 狸寝入り……

 お布団から半分だけ顔を覗かせている。口元は隠れて見えないが、いたずらっ子のような無邪気な表情をしているに違いない。


「えーと。フレデリカさんが添い寝してくれたあたりからですかね」


 まいった。髪を撫でたり寝顔を見つめていたりしたこともバレているっぽい。


「なぁんだ。フレデリカさんも私のこと大好きじゃないですか。いいですよ。一緒に寝てあげますよ。さぁ。もっと私に引っ付いてもいいんですよ」


「調子に乗るなぁ」


 枕を顔面に押し付けて口を塞ぐ。


「明日は組み手大会に参加するんでしょ。もう寝なさい。あとお酒飲む時は周りにきをつけなさい。あなた酔うと大変なことになるわよ」


「大丈夫ですよぉ。私が襲うのはフレデリカさんだけ……」


 バタン!


 勢いよくドアを閉め部屋を出る。

 最後の台詞は聞かなかったことにする。

 部屋を出ると廊下の壁に寄りかかっている人物がいた。


「あら。久しぶりね」


 不審者でないことだけはわかる。

 まぁまぁ知っている顔だ。

 別に親しいわけじゃないし、顔が見れたからといって嬉しくなんてない。

 

「やぁフレデリカ。元気そうだな」


「そうね。ホークも元気みたいで良かったわ」


 スパークやリンクと一緒に我が家の居候となった『家なし男』だ。

 彼も人々を守る為に天使と闘っていたと聞いた。片腕を失っている状態なのに無茶をする。しかも、それで無事に帰ってこれるなんて。この人こそ化け物ではないのか。


「ニーサのこと。すまなかったな。あとありがとな」


「まったくね。愛する妻の手綱くらい、しっかり握っておきなさい。あなたの奥さん浮気してたわよ」


「知っているさ。でも、その浮気相手ってフレデリカだろ。これからもニーサのこと頼む」


 自分の妻の浮気相手に頭を下げるとか、どういう了見だろうか。この世界がどうかなっているか、私がおかしくなったかのいずれかだ。


「あなたが()()()でどうするのよ。ホークだってニーサちゃんのこと大切だから結婚したんでしょ?これじゃあ身を引いた私がバカみたい…………」


「身を引いた……?」


「な、なんでもないわよー!とにかく!ニーサちゃんのことを幸せにしてあげて」


「フレデリカさえよければ三人で暮らして……」


「ばっかじゃないの!私が幸せ夫婦の生活に水を差す様な邪魔者になると思うの⁉︎それくらいの空気は読めるわよ!」


 いけない。つい怒鳴ってしまった。

 ホークもニーサちゃんのことを想っての発言だったのに。


「大声出してごめん。とにかくホークはニーサちゃんのことだけを考えていればいいの」


「すまない。まさかフレデリカに説教されるとはな。わかったよ。ありがとう」



 


 

 

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