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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第五章 ゴッドブレス
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変わらぬ生活 その2


 七年前。

 私たちはアクワ王国を出た。

 冒険者をやっていた時の経験を生かし、四人で各国を巡ることにしたのだ。


 旅費や生活費は行商で稼いだ。

 武具の店『負けん屋』から引き上げた商品と、閃光さんがストックしていた剣を『無限空間』に収納し、行く先々で臨時販売する。つまりは『出張版負けん屋』だ。


 ちなみに『無限空間』というのは、私たちが存在している空間のすぐ隣に存在している場所で、別次元って言うのかな?

 上手く説明できないけど。とにかく普通はその空間の壁を越える事が出来ない。だけど、私はその壁をこじ開けることができるのだ。感覚的には魔界に行く時に入口を開くみたいな感じだ。空間の隔てる壁を一刀で切り裂くイメージ。

 この無限空間はどんな巨大な物体でも収納することができる。

 そこに数百の武具をストックしてある。

 取り出す時は、出したいものを、イメージすれば簡単に取り出せる。


 

 私たちは冒険者をしながらも安住の地をも探していた。

 移住地を決めるにあたり、絶対条件を三つ定めた。


 一つはアクワ国から出る事。

 二つ目は人里離れた、人が寄り付かない場所。

 最後の一つは超重要。住みやすく景観がいい場所。

 その三つの条件を満たす場所。

 

 最初に候補として訪れたのは山頂近くにある高原だった。

 高い標高にどっしりと構える山群。

 青空に白い雲。その下に広がる広大な山脈。

 せり出た岩場からの光景は大迫力だ。

 暖かい季節は高原の草の上に寝転び日向ぼっこも出来る。

 きっと、ゆっくりとした時間が過ぎていくのだろう。

 ただ一点だけ欠点があった。

 気温が低くなること。

 寒いのは勘弁願いたい。


 次に訪れたのは、南アクワの南部。そこからさらに南下したところに島がある。島の中心が山地になっている。

 島の一番高い場所は岩が突き出した断崖絶壁になっていた。

 崖の下を覗き込むと吸い込まれそうな錯覚に陥る。

 海岸沿いまで降り水中を観察すると魚が泳いでいるのが見えた。もしかしてこれはお魚食べ放題では。

 家を置くスペースもあるし。なかなかの好物件だ。


 これまで三人には迷惑かけてばかりだ。

 私が不甲斐ないばかりに、神の使いから堕とさせてしまった。

 彼らが私に縛られるのは私の命が終わるまでだ。その時が来るまで、まだもう少しだけ時間がある。

 それまで一緒に楽しく過ごせたらいいな。







 

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