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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第四章 魔剣屋
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大円団? その1


「ただいまー!」


 石でできた不恰好な門をくぐる。

 その先の庭にはホークと二人の勇者が修行で剣を振るっていた。


「おつかれフレデリカ。それでどうだった?結果は?」


 私は笑顔で親指を立てる。

 それを確認した三人は「ほっ」 とした表情を浮かべた。


「大変だったんだよ。私も慣れない事だったし。説明するのに一苦労だったんだから。ぶっちゃけ、私でも知らない事が沢山あったし……あっ、これお弁当。ニーサちゃんと一緒に作ったんだ。みんなで食べましょう」


 大量のサンドイッチが入ったバスケットをスパークに手渡す。私とニーサちゃんで競い合うように作ったものだ。具材のバリエーションを多様にしすぎて、大量のサンドイッチが出来上がった。まぁ、男の子もいるし、これくらい消費できるよね。

 庭にシートを広げる。

 わりと大きめのものを用意してきた。これだけの大きさがあれば全員がゆったり座れる。

 そうしている間に、ニーサちゃんがお茶を入れてきてくれた。いつも気がきくなぁ。きっと、いいお嫁さんになると思う。旦那さんになる人が羨ましい。


「さぁ、食べて。ほんとうに沢山あるから。揚げたジャガイモもあるから好きなだけどーぞ」


 皆一斉にお皿に盛り始める。

 この勢いなら無駄になる事はなさそうだ。


「それより……」


 青の勇者リンクが口をひらく。


「ニーサ。勉強会よくがんばりましたね。君ももう大人だし、早めに学習できてよかったですね。間違った知識は身を滅ぼしますから」


 またこの子はインテリぶって。あなたも女性とお付き合いとかした事ないでしょ。


「うん!フレデリカさんが優しくしてくれたから。わたし、すごいドキドキして。身体が火照ってくるし。こんな体験初めてだったよ。フレデリカさんが上に乗ってしてくれたから……すごい分かりやすかったよ」


 先程までの和やかな空気が一瞬で凍りついた。

 皆の視線が私に集まっている。

 

「な、な、何を言ってるのニーサちゃん!私何もしてないよ!ちょっと!顔赤らめるのやめて!誤解されてるから!」


「そういえば……」


 今度は叡智の聖騎士が何かを言おうと口を開く。

 駄目だ!絶対にこの子に喋らせては駄目だ。

 この子の話でいい方向に向かったためしがない。


「フレデリカ様の寝室から、激しい息使いと声が一晩中聞こえてきました。そういう事なのですね……なるほど」


 ダメだ……何度も発言には気をつけるように言ってるのに。

 これで悪意がないのだからタチが悪い。


「ちょ、ちょとニーサちゃん!ニーサちゃんからも説明してあげて!みんな誤解してるみたいだから。私何もしてないよね?ね?」


 大丈夫。本人からの説明だったら、さすがに誤解も解ける。

 いや……待って。そういえば……この子も天然なところあるんだった。


「あっ、ニーサちゃん待って!ゆっくり一緒に落ち着いて説明しましょう」


「えっ?はい。わかりました!こういう事は順番に説明した方がいいですよね」


 ふぅ。よかった。ちゃんと理解してくれる子で助かった。


「そういえばフレデリカさん……」


 えっ?どうした黄色の勇者?


「実は……わたし……フレデリカさんが初めての相手でした。私のファーストキス。恥ずかしかったけど貰ってくれて嬉しかったです!」




 



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