ダンダン団らん その5
窓からの日差しが眩しい。
お日さまの位置からすると、お昼くらいだろうか。
「ふぁぁ……だいぶ寝てしまったかも」
朝まで大変だったから仕方がない。
いろいろ大変だったけど、『赤ちゃんが生まれる秘密』はニーサちゃんに伝わった。
これで私の任務は完遂だ。
「おはようございまぁす。フレデリカさん」
私を覗き込む女の子が現れる。
ニーサちゃんだ。
そうだった。勉強会が終わって、そのまま一緒に寝ちゃったんだった。
チュ……
唇が何か柔らかくて温かいもので包まれる。
「んぅっ⁉︎」
ニ、ニーサちゃん⁉︎
「おはようのキスですよ。フレデリカさん」
「お、おはようニーサちゃん。ちょっとびっくりしちゃった」
「ふふっ。びっくりさせようと思ったんですよ。大成功ですね」
な、なんだ。そういうこと。
「もぉ。いきなりだから驚いちゃったよ」
まぁ、いたずらっ子なニーサちゃんも可愛いいからいいけど。
でも、いたずらとはいえ唇にキスしてくるなんて。なかなか大胆な子だ。それだけ私に気を許してくれているのかな。いままで、そんな風に踏み込んで来てくれる人は少なかったから嬉しい。
さて。ニーサちゃんのおかげで目もさめたし。ホークのところに戻らないと。
「ねぇ?みんなのところに戻る前に、ウチでお弁当作っていかない?全員の分」
「はい!わたしも同じ事考えてました。張り切っちゃいますよ、わたし」
とびきりの笑顔で賛同してくれる。
よかった。結構な衝撃的な勉強会だったけど、変なトラウマにはならなかったみたい。いつもの元気なニーサちゃんだ。
「それじゃあ準備しましょ。私もニーサちゃんに負けないくらい頑張るね」
「…………昨夜はフレデリカさんに……ちゃったし……もらわないと……」
「んっ?何か言った?よく聞こえなかったんだけど」
「ううん。何でもないですよ。さぁ!準備しましょう」
私の手を握りベッドから起こしてくれる。
そのままエスコートしてくれるように引っ張っていってくれる。
よかった。今回の騒動もいろいろあったけど、ニーサちゃんの件も含めて全てまるく収まった。
ホーク達もニーサちゃんの事心配してると思うし、早く帰ってあげよう。