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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第四章 魔剣屋
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迎撃 その7

 初めて腰を据えて話をする。

 ナイフが飛んでこない事を祈りつつ、疑問にに思う事を言葉に……


「悪いが、質問には答えられない」


 こちらが声を発する間もなく拒否される。


「ちょっと……まだ何も言ってないでしょ!少しは喋らせなさいよ。そんなんじゃ私たち、一生分かり合えないわよ」


「分かり合う必要はないと思うが。オレは社会の裏で動く者。答えられるものは、ほとんどない。好みの食べ物くらいなら答えてやってもいいが」


「そんな情報いらないわよ。あと例えば、あなたに仕事の依頼したい時は、どこに連絡取ればいいわけ?ほら。情報交換必要でしょ」


「安心しろ。お前がオレに頼る事はないと思う。力は圧倒的に上なのだろう?何よりオレに対して嫌悪感という感情を抱いている」


 なんなのコイツ。とりつく島もない。

 そもそも、最初の出会いが問題だ。私の事を殺す為に接触してきたわけだし。これに関して『嫌悪感』以外に抱く感情があるだろうか。あるはずがない。


「例えばの話にきまっているでしょ。私が殺しの依頼とかするわけないし。あなたは自分の事を『正義』って言うけど、それって誰にとっての正義なのよ?そんなの自分の立ち位置によって違うじゃない。正義なんて、この世に星の数くらいあるわよ」


 回りくどい言い回しじゃダメだ。

 ストレートに言葉にするしかない。


「もういいか?じゃあな」


 苦労して止めた歩みが再び動き出す。


「ちょっと!」


「悪いが興味がない。正直、『正義』なんてものはどうでもいい。強いて言うなれば『悪』の反対が『正義』だ。オレは悪の存在を消すのみ」


「だからちょっと……って」


 また逃げられた。


 「はははは!フレデリカ。お前、全然相手されてないな……くっくっくっ」


「笑い事じゃない!気づいていたならフォローとかするでしょ普通」


「あいつの正義は、誰にも理解できないものなんだよ。きっと。どんな考えで動いているのかはわからないし、正しいかどうかもわからないが。剣を交えて少しだけアイツの心に触れられた気がする。少なくても自分の信念みたいなものは絶対曲げないやつだよ」


「私は全然わからないわよ」


 念のため気配を探る。

 もう私の魔力領域内から外に出たようだ。

 そのかわり、新たな三つの気配が入ってきた。

 真っ直ぐこちらに向かってくるのは、私のよく知っている気配だった。

 



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