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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第四章 魔剣屋
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迎撃 その3


 ザシュ!ザシュ!ザシュ!


 斬撃に弾かれたナイフが木の枝に突き刺さる。

 合計三本のナイフ。

 そのナイフの刃には猛毒が仕込まれている。

 

 ザンッ!


 ナイフが突き刺さった枝を根本から切り落とす。

 植物にも効果ある毒かはわからないが、念のため切り落としておく。


 飛んできたナイフの大元に視線を移す。

 『剣』対『ダガー』ではリーチ差で、圧倒的にホークの方が有利なはずだった。

 しかし、フードの男は持ち前の機動力を駆使し、攻撃をかわしながらホークの懐に入り込もうとする。

 別にホークが遅いわけではない。

 

「どうした剣士。それで全力か?こんなに沸るのはいつぶりか?もっと殺し合おう!」


 見ていられない。あのダガーに塗られた毒は、おそらく強力な毒薬。わずかでも切られたら一発でアウトだろう。

 あのホークが超近接の戦闘を強いられている。

 あの間合いは相手の距離だ。少しでも間合いをとって有利な状況を作らなくちゃ。


「しつこい!」


 ホークがカウンターでダガーを弾く。

 その衝撃に耐えられず、殺し屋は強制的に武器を手放すことになる。

 絶好のチャンスだ。

 そのままの勢いで横に薙ぎ払い追撃。

 しかし、地に伏せ追撃を回避。その超低姿勢から全身のバネを利用し、バク宙から回転しながら離脱する。


「かわされたけど……これで距離をとれた。これでリーチのあるホークが有利に……」


 シュ!


 たなびくマントの裏からナイフが現れた。

 真っ直ぐとホークの眉間に迫り来る。


「うわ!危なっ」


 真横に飛び回避行動をとる。

 ナイフら頬をかすめ、地面に突き刺ささった。


「やっと命中したな。これで終わりだ。その毒は一分で人の体をむしばむ」


「ホークッ!」


 頬から血が流れていた。

 

「参ったな。これでオレの負けか。いい勝負できていたんだがな。ヤバい……痺れてきた」


「なんだ。諦めるのか。まだ足りない。もっと戦え!」


 男が叫ぶ。


「おい!そこの魔女!お前なら魔法で毒を消せるだろ。早くしろ。死ぬぞ」


「言われなくても!」


 うずくまるホークにかけ寄り、傷口に手をかざす。

 

「あぁもう!治癒系は得意じゃないのよ」


 弱音なんて吐いていられない。これをやらなければ、この人は死んでしまう。

 全ての意識を血管に入った毒に集中する。

 まずい。だいぶ流れてしまっている。


「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ…………」


 私、いま攻撃されたらやられちゃうな。

 でも、今はこっちが優先。

 

「見つけた!」


 一気に魔力を流し込む。

 私の場合の毒への対処法は中和や回復ではなく、毒そのものを殺す事だ。

 体内で散らばってしまった毒に魔力囲い拘束する。

 その絡み取った異物に意識を集中し、分解消滅を促した。


「ふぅ……間に合った」


 体内に入った毒を完全に殺す事ができた。

 今のは危なかった。結構ギリギリだった。


「ありがとうフレデリカ。命拾いした。大きな借りができたな」




 

ここまでお読みいただきありがとうございます。


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