再会 その4
ホークの瞳が、真っ直ぐ私に向けられている。
私は知っている。
私に向けられたこの眼差しは強い決意を意味している。
元相棒だからわかる。
こうなったホークは強い。誰にも負けない。
もしかしたら今回の件も乗り切れるかもしれない。
「わかったわ。あなたの意志を優先しましょう。でも条件があるの。私もここに留まる。あなたの身が危ないと認識した時は躊躇なく手を出すから」
彼の片腕は私が奪った。
彼が失ってしまった分のサポートは私がやらなければいけない。
「ああ。わかったよ。なるべく自分の力で乗り切るさ」
ホークの微笑み。懐かしい。また見る事ができるなんて。
「あなたの強さは私が一番知っているから。はい。コレ返しておくわ。あなたの剣だもの。元の持ち主のところに戻って剣も喜ぶと思うわ」
愛用の魔法の剣を腰から外す。
これで本来あるべき場所に返せる。
「サンキュー。素直に受け取っておくよ。すごいな。見事に手入れされている」
「ふふっ。私って今、武器屋さんやってるんだ。ウチの刀鍛冶担当がスゴ腕だから。あなたも知っている人よ。閃光さん……ってそんな顔しないで。もう無闇に切りかかってこないから安心して」
「それならいいけどな。オレ少しだけトラウマになってるから。あとさぁ、一つだけ言っておかないといけないことがある」
冗談で笑っていたホークの顔が真剣な表情へともどる。
「フレデリカ。オレの腕の事。気にしているだろ。償わなきゃいけないとか考えているだろ」
この人は、なんの前ぶれもなく人の秘めている事の核心を突いてくる。昔からそうだ。
ちゃんとまわりの人の事を見て……気遣って……優しくて……
「そんな事考えなくていい。この傷は……オレが犯してしまった罪への償い。君の家族にしてしまった事の罰だ。正直な気持ち、君に斬られて心のどこかで『ほっ』としてしまった。こんな事で許されるとは思わないが、これがオレが背負っていかなければいけない罰なんだよ。だからフレデリカ。君が重たい十字架を背負って生きていく必要なんかないんだ。だから……」
「違うっ!」
座っていた椅子を跳ね飛ばす勢いで立ち上がり、私は否定の言葉を叫ぶ。