再会 その3
「それで?ホークと叡智さんはどうすればいいと思う?私はここを離れて身を隠した方がいいと思うの。あいつ、結構手強いし。ゴリ押し的に無理矢理やっつけちゃうのも手だけど、正直手加減がわからなくて。下手したら殺しちゃいそう」
『あいつ』とは、もちろん殺し屋の事だ。
この世から消してしまっていいなら簡単なんだけど。
まぁ、そうもいかない。
「あたしはフレデリカ様の意見に賛成です。人里離れた場所でなら、まず見つからないでしょう。フレデリカ様は一緒に暮らしてもいいみたいですから屋敷ごと引っ越しすれば解決ですね。あたしは気が進みませんが」
「ちょ、ちょっと叡智さん!勝手に心読まないでって言ってるでしょ!」
「えっ?そんな事していませんよ。フレデリカ様の『ニコニコ』している嬉しそうな顔見れば、考えている事だいたいわかりますよ。その様子だと図星みたいですね」
この子……
悪意なく問題発言するから怒るに怒れない。
「そ、それで!ホークはどう考えてるの⁉︎」
無理矢理だが話の方向を変える。
「オレか?うーん……実は、ここで迎え撃とうと思っていたんだが」
予想外だった。
ホークの強さは、何度も目の当たりにしているから分かっている。でも、それは昔の話だ。いまのホークは片腕を失っている。どうしても手数で不利だ。
今の状態で、あのナイフの雨をさばけるだろうか。
「ねぇ待ってよ。実際手合わせしたけど、かなりの手練れだよ。やっぱり危険は避けて通った方がいいと思う」
正直、私はホークの意見に反対だ。
そんな危なっかしいの見ていられない。
「だがなフレデリカ。毎日、いつ襲ってくる殺し屋にビクビク怯えて暮らすのはオレの性分じゃない。それに、あの三人に稽古つけてやらなきゃいけないしな。勇者とやらに覚醒したらしいが、またまだ未熟だ。死なないように、オレがもう少しだけ面倒見てやらないといけない。だからすまない。一緒には行けない」
ここまでお読みいただきありがとうございます。
気に入っていただけたら、下にある星マークから評価や、ブックマークをよろしくお願いします。