再会 その1
あの時以来ここには来ていない。
殺し屋がここに来るまでには、早くても一週間はかかる。
石を積んで作られた門が見える。
ホークに、なんて言って会ったらいいだろう。
「ホーク!久しぶりー!」
みたいには出来ない。当たり前たけど。
「やっぱりニーサちゃんに相談すればよかったかな」
三勇者には黙ってここまでやって来た。
彼らを命に関わるトラブルには巻き込みたくない。
今、隣にいるのは叡智の聖騎士だけだ。
「どうしますフレデリカ様。あたしが先に行って事情を話してきましょうか?」
「あなただって前にホークに会っているでしょう?直接戦闘してないとは言え気まずいでしょ?」
「あっ、大丈夫です。あたし気にしない性格なので。全然行けますよ」
なかなか肝がすわっている。
「でも向こうが気にするでしょ。殺し合った間柄だよ私たち」
「おーい。人の家の前で何騒いでいるんだよ。相変わらずだなフレデリカ」
声のした方に視線を移す。
「!」
門のところに人が立っている。
前回の時は突然の再会で気が動転して、まともに目も見れなかった。
今回は覚悟してきた……けど、やっぱり見れない。
どうしよう。気まずいし恥ずかしいし……
「よっ!ちっこいの。久しぶりだな。全然成長していないな。ちゃんと飯食べてるのか?」
全然変わっていないなぁ。この人。
ちょっと懐かしくて涙が出そうになる。
「……あたしたちはの姿は仮のものだから大きく変化したりしないんだよ。あんたこそフレデリカ様がいないと何にもできないくせに、あんまり大きな顔しないでよね」
わぁぁ。いきなり不穏な雰囲気になってる。
「ちょ、ちょっと叡智さん!なんで喧嘩ごしなの。ちゃんとお話しましょ」
なんか、緊張している自分が馬鹿らしくなってきた。
もしかして……もしかして私の気持ちを和らげる為に、あえて……
「フレデリカ様帰りましょう。こんな奴、どうなろうと知りません!」
違った……
ただ単に、馬があわないだけだ……