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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第四章 魔剣屋
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魔界の住人

 へし折れた大木の幹に腰掛け、下を見下ろす。

 そこには先ほどの臨戦態勢まま、暗殺者が警戒し辺りを見渡している。


「転移魔法か……ここはどこだ?どこかの森林地帯か……だが見た事のない植物ばかり……答えろ女」


 声にわずかに。少しだけ動揺が見える。沈着冷静だと思っていたこの男も、この異様な空気に不安を感じるのだろうか。


「転移魔法?ちょっと……ううん。全然違うかな。世界線が違う。座標が全然違う。分かりやすく説明すると私たちの世界の裏側。あなたが知っている言葉で言うと『魔界』と呼ばれている世界」


「魔界……最近北に現れる悪魔や魔獣の住む世界か。そんな場所に移動できるお前も魔界の住人というわけか。ならば尚更ここで滅ぼさなければならない」


 街での小競り合いで、私の実力は知らしめたはずだけど。これほどの実力差があるのに、それでも挑んでくるなんて。何がこの殺し屋を突き動かすのか。言動の端から『正義』の主張を感じる。この人も訳ありなのかな。


「ねぇ。あなたが秘めている事。話してくれないかな?そうしたら私たち戦わなくて済むかもしれないでしょ……」


「悪魔と話す舌は持たん!」


 ナイフが飛んでくる。

 まったく。一体何本のナイフを装備しているのだ。


「だからぁ!人の話を聞きなさいよ!」


 剣でナイフを弾き返す。


「あと、私は正真正銘あなたと同じ人間だから。訳あって、強力な魔力が使えるようになっただけだから。それより自分の身を守る事を考えなさい。派手に暴れるから魔物が寄ってきたわよ」


 あたりに複数の気配を感じる。

 この世界に人は存在しない。確認しなくても凶悪な敵である事がわかる。


「……なるほど。こいつらに襲わせるのが、お前の目的か」


「違うわよ。ほんとうは、この世界の雰囲気やら魔力で怯ませて和解する筈だったのよ。それなのに、いきなり殺気剥き出しで攻撃してくるなんて。そりゃ魔物も寄ってくるってば」


「そのやり方は和解しようとする人間ではないな。だが俺はこんなものでは屈しない。少しそのまま待っていろ。先にコイツらを片付ける。その後で始末してやる」


 その台詞と同時に、潜んでいた魔物が一斉に男に襲いかかった。


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