表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第一章 魔法戦車と魔法少女
12/436

フェリックス・ミューラー その1

「私がフェリックス・ミューラー大隊長だ。現時刻よりフレデリカ・クラーク聖特級は私の所有タンクとして扱われる。いままで以上に任務に励む様に」


 突如、押しかけてきた軍服の男は、部屋に入るなり高慢ぎみに、そう名乗った。

 私はこの男の事を知っている。名前を聞いてピンときた。ホークの愚痴によく出てくる男だ。

 会議で毎回絡んできて、必ずホークの意見に反対し、何かと突っかかってくると聞いている。

 すでに私の中での心証は悪い。


「この様な服装で失礼いたします。フレデリカ・クラーク聖特級タンクです。よろしくお願いいたします」


 突然の来訪で、服装がリラックスモードだ。真っ赤なフリースにスウェットパンツという完全に部屋着状態。上官を迎える服装ではないのは確かだ。


「フレデリカ・クラーク。今後の事で少し話がある。時間をもらう。お邪魔する」


 何も言っていないのに、勝手にズカズカと部屋に入ってくる。


「大隊長。私の部屋散らかっていますので、ミーティングルーム一部屋おとりいたします」


「フレデリカ君。私はここで構わないから大丈夫。言葉遣いも崩してもらって結構」


 ふぅ、あぶない。前回の任務の後、しばらく入院していたから、お部屋散らかっていたのよね。さっき片付けといてよかった……じゃない!


 突然来て『お邪魔するよ』じゃないわよ。こっちの都合とかお構いなしなわけ?私が構うからミーティングルームに行きたかったのに。


「あと、こんな服装ですので制服に着替えます。少々お時間をいただきます」


「それも不用だ。いいからかけたまえ」


 うっ、ちょっと薄着の生足で恥ずかしいのだけど……


「さすがにこの格好では……」


「構わないと言っている。同じ事を二度言わせないでもらおう」


「は、はい……じゃあお茶だけ入れますね」


 何か言われそうだったので慌ててキッチンに逃げる。

 ホークと一緒で、私も好きになれそうもない。話だけ聴いて、さっさとお帰りいただく事にしよう。


「お待たせしてすみません」


 二人分のコーヒーをテーブルを置き、自分も席につく。


「今後についてだが……」


 何の前振りもなく話しはじめた。この人自分勝手な性格だ。絶対に友達いないと思う。


「……次の任務は二日後だ。準備をしておけ。それと、君らが壊した戦車。あれは新しく組み直すことになった。新車だよ。次の任務では足を引っ張らないでくれよ」


 別にミスして壊したわけじゃない。相手が強すぎたのだ。それに今の話にはおかしなところがある。

 私は療養の為、あと五日間お休みをもらっている。二日後に任務など聞いていない。


「大隊長。私、療養の為、休暇を取るように命令を受けています。なのでニ日後の任務に就くことが難しく……」

 

「そんな話は聞いていない。その休暇の件は取り下げておくから準備しておくように」


 こうして休暇を三日ほど短縮され、フェリックス大隊長との初出撃となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ