表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍は黙考する  作者: 龍崎 明
第四章 勇者と神子と神匠と
94/139

穏やかな一時

今章から、既に出たことのあるルビを省略します。メンドーです。まぁ、拘りのあるものは、既出でも、振るかもです。


お久しぶりですね?色々と考えてる間に、あからさまな伏線のいくつかのネタが没ネタになったりして、完結しても、アレは何だったんだとなりそうですが、まぁ、とりあえず完結させます!そのあと、蛇足的な続きで、その辺りの伏線を回収しようかと思います、あまり、ネタを詰め込むとエタりますね。


では、本編をどうぞ!

 魔王国軍の撤退を確認し、俺たちは聖夜城(シルバー・ダスク)へと帰って来ていた。


 四大国会議で認められた交易の準備を整え、カラグの奴との打ち合わせを何度か行った。実際に、取引を受け持つのは、奴隷騒動で知り合ったコプロのようだ。カラグの元で、しっかりと教育されたようで、身形に礼儀作法など諸々から見違えていた。

 亜人たちの受け入れ態勢も整えられ、後は発見・保護をする段階にある。


 諸々の準備を終え、俺は法皇との約束により、法皇国に向かうことになっている。その旅に、エリーさん、カーラ、ヤト(魔動人形)、ギドラ、シュテン、ヤタカは連れて行かず、俺とセイ、夜刀姫だけの予定である。


「さて、森妖精の里に向かうか」


 朝。ドラの煎れた紅茶を嗜みつつ、今までの経緯を整理した俺は、昨日、分身経由の連絡によって入った予定に向けて動き出す。


「我が君、もう少しごゆっくりなされては?カーラ様は、まだお休みでございましょう」

「ん?それもそうか。じやあ、ドラ、おかわり」

「はい、我が君」


 ドラの言葉に納得し、俺は紅茶のおかわりを注いでもらった。【念動(キネシス)】で適当な書物を手元に運び、優雅な読書に興じるのだった。


 ……


 昨日の夕方頃、イジネからの連絡によって、俺は森妖精の里に呼ばれたのだ。緊急の用件と言うわけでもないが、内容は直接、語るべきことらしく、今日、赴く旨を伝えて、その連絡は終わった。


 エリーさんたちもイジネに会いたいということで、森妖精の里に連れて行く。まぁ、問題はないだろう。


 そろそろ頃合いかと、食堂に顔を出せば、未だ寝惚け眼のカーラがララに世話を焼かれながら、ゆっくりと朝食を取っていた。その隣では、エリーさんがヤトの髪に櫛を挿れていた。


「そろそろ行くぞ」

「はーい」

「わかった〜」

「わかったの」


 三者三様の返答があったので、しばらく、テキトーな椅子に座って寛ぐ。カーラがようやく、食べ終え、部屋に戻って、身嗜みを整え、帰ってきた。


「さぁ、イジネのところに行こう!」

「お前、待ちだ、バカ」


 やっと覚醒したカーラの頭を叩き、【転移門(ゲート)】を開いた。


「行ってらっしゃいませ、ご主人様」

「あぁ」「行ってきまーす!」「まーす!」


 ララの見送りに軽く答え、俺たちは森妖精の里を訪れた。


 ……


 森妖精の里近くに開いた【転移門】を抜ければ、ワラワラとこちらに向かってくる複数の人影。


「ジャック〜」「カーラ〜」「エリー〜」「ヤト〜」「セイ〜」


「チッ!」


 その呼び掛けにいち早く反応を見せたのはセイだ。大方、餌がもらえるとでも考えたんだろう。

 まぁ、向かってきているのは、犬妖精と猫妖精たちだ。

 あれから、何度か、遊びに来ているので、エリーさんやヤトのことも知っている。


「あらあら、お迎え、ありがとね」

「みんな〜、遊びに来たよー」

「よー」


 エリーさんたちが、続いて反応してる間に、彼らはすでに俺たちの元に辿り着き、何人かが俺にジャンピングダイブをかましてきた。俺はそれをしっかりと受け止め、そのまま抱える。セイはすでに頭の上に避難していた。

 エリーさんとヤトは周りを囲まれているだけだが、カーラはダイブされないもののだいぶ、揉みくちゃにされている。


「今日は何しに来たのー」

「エリーだっこー」

「ヤト、かけっこしよー」

「ジャック、イジネと結婚しないのー」

「カーラだー」


 好き勝手に喋られるので、何が何やらわからんが、テキトーに相槌を打ち、里のほうに向かう。俺の背中に張り付いてる奴はどうやら、セイに何か果物系のものでも与えているらしい。シャリシャリという咀嚼音が聞こえる。


「ずるーい、私も」「俺も」「僕も」「あたしも」


 背中側に群がっていた連中が、餌やりを羨ましがり、さらなる重みが追加された。


「おや、随分、ゆっくりしていたんだな、ジャック」

「あぁ、カーラが例の如く、寝てたからな」

「ははは、そうか。いらっしゃい、みんな」


 村の入り口を潜れば、すでにイジネが待っていた。特に、変わった様子は見られないし、ホント、なんの用件何だろうか?

応援をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ