穏やかな一時
今章から、既に出たことのあるルビを省略します。メンドーです。まぁ、拘りのあるものは、既出でも、振るかもです。
お久しぶりですね?色々と考えてる間に、あからさまな伏線のいくつかのネタが没ネタになったりして、完結しても、アレは何だったんだとなりそうですが、まぁ、とりあえず完結させます!そのあと、蛇足的な続きで、その辺りの伏線を回収しようかと思います、あまり、ネタを詰め込むとエタりますね。
では、本編をどうぞ!
魔王国軍の撤退を確認し、俺たちは聖夜城へと帰って来ていた。
四大国会議で認められた交易の準備を整え、カラグの奴との打ち合わせを何度か行った。実際に、取引を受け持つのは、奴隷騒動で知り合ったコプロのようだ。カラグの元で、しっかりと教育されたようで、身形に礼儀作法など諸々から見違えていた。
亜人たちの受け入れ態勢も整えられ、後は発見・保護をする段階にある。
諸々の準備を終え、俺は法皇との約束により、法皇国に向かうことになっている。その旅に、エリーさん、カーラ、ヤト(魔動人形)、ギドラ、シュテン、ヤタカは連れて行かず、俺とセイ、夜刀姫だけの予定である。
「さて、森妖精の里に向かうか」
朝。ドラの煎れた紅茶を嗜みつつ、今までの経緯を整理した俺は、昨日、分身経由の連絡によって入った予定に向けて動き出す。
「我が君、もう少しごゆっくりなされては?カーラ様は、まだお休みでございましょう」
「ん?それもそうか。じやあ、ドラ、おかわり」
「はい、我が君」
ドラの言葉に納得し、俺は紅茶のおかわりを注いでもらった。【念動】で適当な書物を手元に運び、優雅な読書に興じるのだった。
……
昨日の夕方頃、イジネからの連絡によって、俺は森妖精の里に呼ばれたのだ。緊急の用件と言うわけでもないが、内容は直接、語るべきことらしく、今日、赴く旨を伝えて、その連絡は終わった。
エリーさんたちもイジネに会いたいということで、森妖精の里に連れて行く。まぁ、問題はないだろう。
そろそろ頃合いかと、食堂に顔を出せば、未だ寝惚け眼のカーラがララに世話を焼かれながら、ゆっくりと朝食を取っていた。その隣では、エリーさんがヤトの髪に櫛を挿れていた。
「そろそろ行くぞ」
「はーい」
「わかった〜」
「わかったの」
三者三様の返答があったので、しばらく、テキトーな椅子に座って寛ぐ。カーラがようやく、食べ終え、部屋に戻って、身嗜みを整え、帰ってきた。
「さぁ、イジネのところに行こう!」
「お前、待ちだ、バカ」
やっと覚醒したカーラの頭を叩き、【転移門】を開いた。
「行ってらっしゃいませ、ご主人様」
「あぁ」「行ってきまーす!」「まーす!」
ララの見送りに軽く答え、俺たちは森妖精の里を訪れた。
……
森妖精の里近くに開いた【転移門】を抜ければ、ワラワラとこちらに向かってくる複数の人影。
「ジャック〜」「カーラ〜」「エリー〜」「ヤト〜」「セイ〜」
「チッ!」
その呼び掛けにいち早く反応を見せたのはセイだ。大方、餌がもらえるとでも考えたんだろう。
まぁ、向かってきているのは、犬妖精と猫妖精たちだ。
あれから、何度か、遊びに来ているので、エリーさんやヤトのことも知っている。
「あらあら、お迎え、ありがとね」
「みんな〜、遊びに来たよー」
「よー」
エリーさんたちが、続いて反応してる間に、彼らはすでに俺たちの元に辿り着き、何人かが俺にジャンピングダイブをかましてきた。俺はそれをしっかりと受け止め、そのまま抱える。セイはすでに頭の上に避難していた。
エリーさんとヤトは周りを囲まれているだけだが、カーラはダイブされないもののだいぶ、揉みくちゃにされている。
「今日は何しに来たのー」
「エリーだっこー」
「ヤト、かけっこしよー」
「ジャック、イジネと結婚しないのー」
「カーラだー」
好き勝手に喋られるので、何が何やらわからんが、テキトーに相槌を打ち、里のほうに向かう。俺の背中に張り付いてる奴はどうやら、セイに何か果物系のものでも与えているらしい。シャリシャリという咀嚼音が聞こえる。
「ずるーい、私も」「俺も」「僕も」「あたしも」
背中側に群がっていた連中が、餌やりを羨ましがり、さらなる重みが追加された。
「おや、随分、ゆっくりしていたんだな、ジャック」
「あぁ、カーラが例の如く、寝てたからな」
「ははは、そうか。いらっしゃい、みんな」
村の入り口を潜れば、すでにイジネが待っていた。特に、変わった様子は見られないし、ホント、なんの用件何だろうか?
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