戦神祭の前々日
西暦2020年、令和二年2月22日、22:00
二が並ぶところで少しの遊び心でもって、投稿を再開とさせていただきたく思います(^^)v
次の投稿からは、正午となることでしょう。何卒、終章までお付き合い、よろしくお願いいたします。
「わぁ……!」
カーラの感嘆の声が聞こえる。
ここは、獣王都の大通り。今は戦神祭という祭事の前々日ということもあって、気の早い商人たちの屋台が所狭しと並んでいた。漂うのは美味しそうな香りばかり。そこを多くの人々が行き交っていた。
「お兄さん、お兄さん!あれを買ってください!あっ!あっちもあっちも!」
カーラが様々な屋台に目移りするのに、苦笑を浮かべながら、今日くらいはいいかと財布の紐を緩めることにした。
「あぁ、いいぞ。ヤトとエリーさんは、いるか?」
「ヤトも食べる〜」
「えぇ、いただくわ」
今ここにいる残りの面々にも声を掛ける。残念ながら、イジネはしばらくは、自身の里で過ごすということで来ていなかった。
「チッ!!」
一匹、勘定されていないセイが抗議の一鳴き。
「あぁ、そうだな。お前の分も買ってやる」
そんな感じで、食い意地の張っている面々主導で、俺たちは祭事前の余波を楽しむのだった。
……。
俺所有の迷宮というのも、なんか手間だなと思う最近。それを相談すれば、エリーさんによって新たな名前が提案された。
聖夜城。
それがまぁ、俺の迷宮の呼び名になったわけだ。
それで、聖夜城で日々を過ごしていた俺たちだが、ちょっとした問題に当たって、カラグに相談することになった。そこで、なんやかんやあって、まぁ、この祭事に参加することになったのである。
この祭事は、四神の一柱である地母神の眷属神とされる戦神に捧げるもので、まぁ、戦闘狂の多い獣王国で毎年開催されているのだ。当然、この祭事の目玉は、獣王国が誇る闘技場で行われる武闘大会で、その名を魔剣大会と言う。
魔剣大会は、各国の名だたる猛者たちが集まる、他の武闘大会とは一線を画す戦いが繰り広げられると有名で、各国からこれを目当てに観光客が集まるほどである。それに加えて、今回は四大国すべての首脳陣が観戦するとのことで、引き抜き目当てに参加する者も多く、過去最多の参加者数になると予想されている。
……。
件の闘技場の一つ。ここは、魔剣大会参加者の登録の会場にもなっており、様々な種族の戦士、魔術師たちが集まっていた。
俺も忘れないうちにと登録に赴いた次第である。ちなみに、エリーさんたちは観戦だ。参加はしない。そのため、少し離れたところにあるベンチで休んでいる。ナンパされているようだが、チャラ男たちはエリーさんによって、呆気なくあしらわれていた。
この大会、実は参加制限がある。一般人は参加できないのは当然としてと思うかもしれないが、一般人に参加制限はない。戦えるから参加するだろ?といった感じで、まぁ、国民皆戦士という獣王国ならではの常識によって下限に制限は設けられていないのだ。制限が設けられているのは、上限のほう。冒険者の霊銀級以上は、戦いにならないからと制限されている。これは面白くないのはもちろん、賭事の対象にもなっているため、そんな絶対強者がいたら賭事にならないからである。
ちなみに、エリーさんたちは全財産を俺に賭ける気でいる。まぁ、順当にいけば、確かに俺の優勝で終わるのは目に見えているが、この大会の上限制限は冒険者にのみ適応される。つまり、冒険者ではない絶対強者には参加制限がないのである。まぁ、冒険者ではなかったら強さを測るのが難しいからな。それに等級詐欺のような冒険者は、俺以外にもいるだろうから、案外わからない。俺が負ける可能性だって、あるにはある筈だ。
そうやって大会の前情報を確認していれば、やっと順番が回ってきたので、さらさらと登録手続きを完了させる。
特に絡まれることもなく、エリーさんたちの元に戻ろうとした時、それは聞こえた。
「どけや!テメェラ!!俺より弱そうな面して、なに大会に参加しようとしたんだ、アァ!!」
その大声のもとを向けば、大柄でやたらと刺々しいデザインの鎧を着た男がいた。雰囲気からは素行が悪いが腕っぷしだけは一丁前の野郎に見えるが、俺の目は誤魔化せない。奴のレベルはたったの11。ギリギリ、銀級冒険者といった程度でしかない。おそらく、奴も優勝できるとは思っていまい。思っていたら真性の馬鹿だ。見た目で威圧して、ライバルの数を減らし、大会でなるべく生き残ろうという腹積りだろう。
ことの成り行きを見ていれば、野郎の大声に萎縮した何人かがスゴスゴと引き下がっていく。まぁ、あの程度で引き下がるなら、引き下がってくれた方がありがたい。大会で手加減するのは正直、肩が凝る。だが、曲がりなりにも、世界で最大規模の大会に参加しようという連中だ。その大半は野郎を睨みつけるばかりで、引き下がろうとなんてしない。野郎が内心、どう思っているかは知らないが、舌打ちをしたのを見るに思惑よりも上手くいっていないのか。
野郎が次の手にでようとまた、息を吸ったその時、野郎に話しかける子供がいた。
「おっちゃん、うるさいのね。大会、参加したいなら、並ぶのね」
独特の訛りがあるその子供は、茶髪を三つ編みポニーテールにしているのを見るに女子だろうか。強面の野郎に物怖じせずに近づくのは、流石、女性の胆力と感心するが少々無謀に見えるのは仕方ないことだろう。
「んだと、ガキ!俺は弱者が無用な怪我をしないようにわざと、言ってやったんだ!何もわからないお子ちゃまは帰れ!!」
言っていることは割とまともである。案外、いい奴なのかもしれん。
「その辺は自己責任あるよ。おっちゃんが気にすることじゃないのね。この公衆の面前で威圧的な態度をとるおっちゃんはどのような理由であれ、問題あるよ」
これまた、正論だ。野郎と女子はしばらく睨み合っていたが、野郎が先に痲れを切らした。
「すっこんでろ!」
野郎は子供を無視して、通り過ぎようとしたが、子供はそれを許すつもりはないらしい。野郎の脚に自身の脚を引っ掛けた。
「うお!?」
体重差からして、野郎だけがすっ転ぶのはおかしな話だが、現実に野郎だけがすっ転び、子供らしき女子は体勢を崩すこともなく佇んでいた。
「こんのヤロウ!ガキだからって、なにしても許されると思うなよ!」
すっ転んだ野郎は、低い沸点に達したか、今の不可解な現象を気にも留めず、子供に殴りかかる。
「は?」
そんな素っ頓狂な声を漏らしたのは野郎だった。野郎の拳は、子供の人差し指一本で受け止められていたのである。
「さっきからガキガキと、アタシは子供じゃないあるよ?小山人の歴とした成人ある。はいこれ、冒険者としての会員証ある」
そうやって、小山人の女性が取り出したのは、白金の板。それはつまり、あの子が白金級冒険者であることを表していた。
場面が急展開ですね〜
ホントはほのぼのとした日常エピソードにも手を伸ばしたかったのですが、いかんせん私はそちらの文才がないようで、筆が進まなかったのです。いや〜申し訳ない。
いやはや、それはともかく、評価なりブックマークなり、何卒よろしくお願い致します。えぇ、えぇ、あれは作者の原動力となること間違いなしにございますれば。
あっ!感想もお願いしますね!
ジャック「お前、しばらく萎えてたよな」
な、何を言うんですか!?私はリアル諸事情でお休みしてたんです!萎えてなんか萎えてなんかいないんだからね!
「確かに、諸事情はあったが、お前、もういいかなとか零してだろう」
そ、そんなことありません!?人気が上昇していくのは快感なんですよ!底無し沼の如き、それに片足突っ込んだなら、もう、やめるにやめられませんとも!
「露骨なおねだりだな。まぁ、こんなの作者の茶番に過ぎんしな」
……
「黙るな、ゴラァ!」
ギイャアアア!!なんで、斬ったんですかー!?
「それでは、読者の諸君!石でもいいから、作者におひねりを投げてやってくれ!」
よろしくお願いします!ホントに原動力になるんですよ!(ピシッと直立して)




