表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍は黙考する  作者: 龍崎 明
第一章 忘れ去られた地下墓地
6/139

宝箱

 屍鬼(ゾンビ)の女性をもう一度、埋葬した後、また、ヒタヒタという気分で歩く。


 ……。


 ……。


 ……変わり映えのしない迷宮(ダンジョン)だな。流石に、飽き飽きする。


「お?」


 そんなことを考えていると、角を曲がった先に扉があった。木造である。この階層は、周囲が土しかないので、違和感しかないし、そもそも土にどうやって、扉を嵌め込んだんだ?


 近づいてみると、普通に木枠を嵌め込んで、扉を取り付けていた。これは、普通に蹴破れるのでは?


 ……まぁ、いい。俺は、ドアノブに手をかけ、ゆっくりと押し開いた。


 空いた隙間から覗いてみたが、敵の気配は無い。完全に開ききり、中に入った。

 そういえば、ここは光源が一つもないな。俺は真理眼(イデア)のおかげで見えているが。ホント、真理眼様様だな。


 部屋は、大して広くない。狭苦しい行き止まりだ。ただ、その部屋の真ん中には、その存在を主張する箱が一つ。迷宮につき物の宝箱だろうか?


 真理眼を行使。


『木造の宝箱:迷宮が生成するなんの変哲もない宝箱。木造は最もランクが低く、鍵や罠は無い。』


 ふむ。……開けるか。


 罠のないことはわかっているので、無造作に近づき、開く。中にあったのは、一つの小瓶。中身はどうやら液体のようだ。


 なんだろうか?真理眼。


『手入れの薬瓶:武具を手入れすることができる魔法薬。これをかけた武具はたちまちに新品同様の輝きを取り戻す。』


 ……。木造はランクが低いのではないのか?まぁ、いい。錆び付いたこの剣にかけてみるか。


 タラーリと、若干の粘り気を感じさせる液体が、小瓶から垂れ、錆び付いた剣にかかる。

 すべてかけたところで、剣が発光し、思わず、目を背ける。


 発光が収まり、視線を戻せば、剣は確かにその輝きを取り戻していた。

 そういえば、この剣は調べてなかったな。


 真理眼。


隕鉄(メテオライト)の剣:硬く重い魔金属、隕鉄によって、鍛えられた剣。魔伝導率は無いに等しく、力自慢の剣士向けの品。』


 なぜ、この迷宮のアイテムは、そのランクが高いのだろうか?魔化物(モンスター)のランク上げろよ……。


 こんなものか。さて、探索だ、探索。


 俺は小部屋を後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ