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屍は黙考する  作者: 龍崎 明
第一章 忘れ去られた地下墓地
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実践

 パタン……


「うーん……はぁ」


 「魔術入門」を読み終わり、俺は伸びをした。この身体は疲れ知らずで、解す必要もないが、なんとなく気分だ。


 俺は愛剣を手に取り、イカロスと戦った広間の方に向かった。セイも暇なのかついてきた。


「さて……」


 気分の切り替えを意識して言葉を発する。今から行うのは、魔術の練習だ。本によれば、魔術は理論的な神秘行使のことで、本能的に行使できる俺の血魔法やセイの神聖魔法とは異なるらしい。だが、俺は血魔法を使ったことがないのでまずはこっちだ。


 まず、自身の血を必要とするので、愛剣で右腕を自傷。意識を集中し、本能に身を任せる。


 血魔法【血液操作】


 右腕につけた傷から、一定量の血液が取り出される。【念動(キネシス)】の延長のような神秘だが、これは【念動】を使えなくても、吸血鬼(ヴァンパイア)系統は皆、使えるのだ。

 しかし、この量は下手したらショック死だな。俺は種族的に大丈夫だが。そもそも、吸血鬼の血は、魔法触媒や超再生に使う代物で普通の生命維持に使われるものではないのだ。


 よし。それじゃ、次だ。本には、火だの雷だの派手なのは魔術の本質じゃないとか書かれていたが、やっぱりそっちのイメージがあるからなぁ。

 てことで、それを意識する。


 血魔法【罪炎】

 血魔法【鉄血】

 血魔法【血風】

 血魔法【凍血】


 立て続けに四つの神秘が現れる。

 怨念を燃料に燃え上がる【罪炎】。血中の鉄分を魔力で増幅し、その性質を全体に伝搬させて鋼鉄とする【鉄血】。空気中に血を拡散して空気ごと操る【血風】。血を起点に、怨念で熱を奪い、凍てつかせる【凍血】。


 ふむ。すごいな。ホントにできたよ。向こうの世界でよく見る四属性になぞらえてみた。血液がそもそも液体だから、水は氷になってるがな。


 よしよし。じゃあ、もっと難度を上げよう。

 愛剣に【念動】を使ったときになんとなく感じた血魔法だ。これは吸血鬼の基本と言っても過言じゃない。これがないと変身できんしな。


 血魔法【血染武装】


 【血液操作】で操られた血が、愛剣、衣服、静音(サイレント)()(シューズ)に纏わりつく。血は次第に染み込み、それらと俺が繋がり、同じになるのが感じられた。


 【血染武装】は、物体に自身の血を浸透させて生体武具にする神秘だ。生体武具になった物体は、俺とともに成長し、必要のない時は血液に分解して血流に収納することができる。これで、変身して、そのあと元に戻っても裸になったりしないのだ。


 よし、成功だな。それじゃ、ジャンジャン魔術を修得しますかねぇ。

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